目に映るものが、全て本物という保証はない。いつだってそうである、自分達が生きているのは、思っているよりずっと脆い世界なのだ。つい最近死んだ親戚の姿がちらついて、葬式なんてもう暫くごめんだと井浦は思った。
あまり近い親戚でなかったのは確かだ。悲しかったか聞かれれば一応悲しかった。
もし今、自分の――例えば友人の一人(誰でも良い)が亡くなったとしよう。果たして自分は泣くのだろうか?心の底から悲しめるのか、甚だ井浦には疑問だった。
彼等には皆、もし死んだとしても自分などよりずっと悲しんでくれる人がいる、と井浦は思った。
それは正解であり間違いであり。
彼の頬をひっぱたく人はまだいなかった。



title:悼めるか
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井浦 (堀さんと宮村くん
とにかく井浦が書きたかったんですすいません
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