私、はるかさんのことがね、
「はるかさんがとっても好きだなぁ……」 もうどうせばれているのだし、見事なゴールデン・ブラウニッシュ・ブロンドを有する麗人に向けて、しかし視線は携帯電話に落としたまま、いかにもぽつりと出てしまいましたよ、という風を装って言ってみる。 「へぇ、光栄だな。サンキュ、夢子」 「もう。そうじゃなくって、」 拗ねてはるかさんを見やると、はるかさんは吸い込まれそうに深い、深い青の瞳で、ただただ優しく私を見詰めているのだった。 「……みちるさんの、何処がいいの?」 「わざわざ言わなきゃ理解らないのか?」 「ううん。わかる。嫌になるくらいには、わかってるよ。私が入って行ける隙なんて、どこにも無いもんね」 「ごめんな。仔猫ちゃん」 「その“仔猫ちゃん”って、私嬉しくないなぁ」 「じゃ、夢子。ごめん」 「もういいよ」 腹を立てて、だとか呆れて、といったわけじゃなく、最初からわかってはいたものの、はるかさんにはみちるさんしかいなくって、例えば言い寄ってくる相手がこの世で一番美しい女の子だとしたって、それは決して叶わないのだ。理解っていたことなのに、しかも自ら言ったくせ、突き付けられると寂しく思ってしまう。 だから私は、もういいよ、と言うほか無いのだった。 「フッ……ごめんな、夢子。みちるの、次の次くらいに好きだよ」 「うそつき。」 ぷぅ、と頬を膨らませてみせると、はるかさんは吹き出した。その笑顔もやっぱりとても、魅力的で。 だけれど、これからもこんな風に、みちるさんの次の次……ううん、次の次の次の、次の次の次の次くらいでいい、ただ、はるかさんが私を私と認識してくれて、気まぐれに戯れに、こうやって傍にいたり、会話してくれるのなら。私はそれ以上の幸福は望まないべき、なんだろうなって。 だってきっと、ううん、絶対、みちるさんの存在があるからはるかさんは、こんなに輝いているのだもの。 「ね、はるかさん? 私、一寸むかっときちゃった」 勿論嘘だ。 それははるかさんも心得ているようで、笑みを崩さず瞳で問うてくる。……それで君は、どうしたいのかな? って。 「だからね、あのね、今度、はるかさんの運転でドライブしたいよ。……ダメ?」 それを受けたはるかさんはしばしば考えているふうで、私は柄にも無く、心臓が切なく鳴るのを感じた。 「……特別だぜ?」 「えっ!?」 「いや、だから。特別に君を乗せてあげる」 「ほ、ほんとう!?」 「なんだよ、自分から言っておいて。可愛いな、夢子」 「可愛くは、無いかもしれないけれど、嬉しいよ。とびきり、嬉しい」 ありがとはるかさん、そう言った私がはるかさんのその瞳に映っている。 こんな満面の笑み、私に出来るだなんて知らなかった。 なんだかとっても恥ずかしくなって頬が熱くなってしまうのを止められない。 するともう一度、はるかさんは言った。 やっぱり夢子は可愛いな、って。
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ドリームを読んだことの無い管理人がはじめて書きました,ドリームと呼んでいいのかわからない第一作。如何なものでしょうか... はるかと知り合いで,はるかの大切なひとで,恋は叶わずもはるかにドライブに連れて行って貰えたらしあわせだなとか、そしてやっぱりはるみちは前提だと思う。という閲覧者様にお送り致します(>_<) (因みにですが,主人公にモデルは存在しません。貴女が主人公ですものね!)
宜しければ、初の試みゆえご感想やご意見を戴けましたら,とてもとても有り難いです*
それでは夢子様,ありがとうございました!←TOP
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