私は毎日泣いています。
嬉しくて泣いています。
愛しくて泣いています。
切なくて泣いています。
きっと、遠い昔の私が今の私を覗き見たのなら、羨ましいやら悔しいやら腹立たしいやらで、おかんむりでしょうね。
だってねぇ貴女? 貴女の殆どすべてだったそのひとが、今、私の腕の中で眠っているのだもの。
こんな奇跡が他にあるかしら?
懐かしいわね、
名前を呼ぶことを赦された日。
はじめてドライブへ連れ出してくれた日。
はじめて手を握った日。
はじめてくちづけを受けた日。
はじめて身体を重ねた日。
そのたび私、人知れず涙を流したわ。
だってほかに、どうしようもなかったのよ。
しあわせが過ぎて泣いてしまうのだもの……
変わらないわね。
今だって、今日この日だってそうよ。
はるか、あなたは知っているのかしら、泣き虫な私を。
そして知っているのかしら、海の人間である私はね、どんなにどんなに泣いても、涙が枯れることは永久に無さそうよ。
腕の中で休むひとよ、
わたしのすべてよ、
おやすみなさい、いつまでも。
おやすみなさい、これからも。
あなただけが在るのならば、私は何も彼もを悉く越えてゆけるのです。
あなたをまもる為ならば私、人だって殺すわ。
自身の死だっていとわない。
あなたが微笑むのならば私、どんな責め苦にだって耐えられてよ。
他の誰が苦しんだって、あなたで無ければ笑っていられる。
人魚のお姫様のように、
歩くたび足をナイフで刺されたって踊ることが出来る。
末路が海の泡だって、全く構わないわ。
天になど昇れなくっていい。
はるか、あなたが好きよ。
はるか、あなたが好きよ。
はるか、あなたが大好きよ。
私は毎日泣いています。
嬉しくて泣いています。
愛しくて泣いています。
切なくて泣いています。
あなたを想って泣いています。
あなただけを想って泣いています。
この奇跡に涙します。
私は永遠に、しあわせです。
20120127
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