day...ヘリオトロープの海 | ナノ









はるみち,そしてみちるさんと出逢ってから。
たったのこれだけ。


思い返せば,2011年の8〜9月頃,わたしは一ヶ月,検査入院をしていました。
その日々に潤いがほしくって,アニメを鑑賞したいなって。
できるだけ長いやつ,中弛みしないやつ,そして勿論,興味のあるやつ。
わたしは,ずっと幼い頃から 土萠ほたるに憧憬があって,それから,天王はるかはタイプに違いないと思いました。
そして借りてきた『セーラームーンS』全巻,わたしはわたしの予想を裏切り,海王みちる,そのひとに心臓を鷲掴みにされてしまったのでした。

来る日も,来る日も朝から晩まで,定期的に,血液を抜かれていきます。
その間は無論絶食,投薬も赦されはしませんでした。
わたしはお薬を飲まなければ,息の出来ない身体です。――そんな中で『セーラームーンS』に,どれほど救われたでしょうか。

息も絶え絶え,痛くて怖くて苦手な採血も,苦手でいるだけ無駄だったので諦めて,ただ,意識を遠くに飛ばしていられる存在を 欲していました。
無我夢中でアニメに専念しようと必死でした。
そのアニメーションを通して,わたしは海王みちるの高潔なたましいに,出逢うことが叶ったのです。

また眠れぬ夜には ディ・ルームの電気を点けて貰い,はるかとみちるを描くのに没頭しました。
わたしは遠くロマンティックなものを愛していて,古めかしいぬりえのきらびやかなドレスなどが,みちるにはとてもよく 似合いました。
そして彼女の横にはいつも必ず,つがいが微笑んでいるのです。

嫉妬もしました,絶望もしました。
こんなにもうつくしいつがいの,存在に。
だからこそ強烈に憧れて,陶酔するほか どうにもしようがありませんでした。
彼女たちへの知識もままならぬ状態で,ただただ文章を書き綴りました。
彼女たちへの想いは,お気に入りの万華鏡みたいな,淡くきらきらしい彩りだけで 満ちていました。

突発的にサイトを開設して,いつでも片手で出来るその作業は,よい手慰みになりました。
期間限定のつもりで,兎に角吐き出したいものを吐き出し続けました。


それから暫く,2012年の3月に,わたしの手術が決定しました。
今でこそ笑い話ですが,『死ぬかもしれない』なんて思って,だから,入院前,やりたかったことを ひたすらに叶え続けることにしました。
手術の事実から目を反らすのに,とても必死でした。

家族に内緒で東京へ行き,ネットを介して知り合ったお友達,互いの存在を5年は知っているのに逢うことの叶っていなかったお友達と,漸く逢えました。
美術館へ赴きました,とても すきな画を心に焼き付けました。
セーラームーンのオンリーイベントに,サークル参加しました。
泣けちゃうくらい,すてきなひとときに,これが最期の神様からのプレゼントなのかしら,と考えました。――苦しみのすぐ傍には必ず幸福が,幸福のすぐ傍には必ず苦しみが,存在しているのだと,理解していたからです。


でもこの通り,わたしは死にませんでした。
術後の想像を絶する苦痛に対し,『こんなに苦しいのだから,差し引きゼロよね』と,歓喜しました。
わたしは未だわたしとして,続いていました。身に余る幸福だと,泣きました。
オンリーで買い求めた,セーラーネプチューンの二次創作イラストのストラップを,ネックレスにして,肌身離さずつけていました。……彼女はいつだって,『大丈夫よ』と,優しくたおやかに励ましてくれます。
わたしはますます,海王みちるに傾倒してゆきました。


それからまた何ヶ月も,何ヶ月も経ちました。
『予防でしかない、過剰な期待はしないように』と言われていた手術でしたが,わたしは信じられないほどに,みるみる元気になってゆきました。
一般的な同世代の子たちよりは大分体力は無いでしょうけれども,この5年余りの年月の中で,いっとう,身心がやすらかであることは確かです。
夢のまた夢だったひとり暮らしも はじめました。共に歩んできてくれた母は,涙ながらに喜んでくれました。
わたしは今日も,わたしだけの王国で,やすらかに過ごしています。正に今,このときも。


...そんな日々において,わたしは自分の悪癖というものをそれなりに知っていました。
要約すると,『心から望まないことばかりを だらだら続ける/本当にやりたいことは,いつだって後回し/計画性が無い/締め切りが無いと何も始めない/飽きたり気が変わったら,簡単に放り出す/無益な時間を過ごすことが得意』...と,こんな調子です。
だからこそ,決めました。
“2013年の上半期を,海王みちるに捧げる”と,決めました。
情熱的でなくとも無我夢中に,彼女に心を傾けていたいと願いました。

なので今,いろんな無茶をしています。有益な無茶です。
定められた期間の中で,どれだけ,わたしの想う海王みちるを形に出来るのかという,挑戦です。
楽なことは嫌いなので,出来うる限りもがき苦しんでやろうと考えています。そういうことのほうに,意味や意義を発見しやすい質だからです。
その結果が,誰れの目にもとまらぬものであったとしても,自分自身が充分に納得したものを作り上げ,自身にプレゼントしてやりたい。
この過程や結果はきっと,後の財産になるのだと夢みて。


先のことなんて これっぽちもわからないけれども,だからこそ今,この瞬間,この日々を海王みちるに捧げたいと思います。
その後は燃え尽きていなければ何かを続けるのかもしれないし,そうでは無いのかもしれない。――先のことは そのときに考えたらいいし,どちらにしたって幸福なことです。

わたしは彼女に救われたので,その想いを,形にして残します。










**

...長い上に要領を得ませんが((>_<))

纏めると⇒月華遊星3を目指して,みちるお嬢さまをひたすらリスペクトする!!!(>_<*)ノ

...って お話しでしたー(*^_^*)♪




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