殺す覚悟で愛してよ
見つめ合う視線が火花を散らした。
綱海さんが涙で濡らした目をゆっくりと伏せる。そんな彼を見つめながら、また俺は彼の唇に自分の唇を重ねた。
もう何度目か分からないキス。随分前に数えるのをやめた。お互いの息を奪い尽くすようなキスに、頭がクラクラする。
俺の最初で最後、唯一の最愛のひと、綱海さん。
これから先の未来を、共に歩んで行きたいと思った。
今が幸せ過ぎて未来が怖い、と最近綱海さんがよく泣くようになった。
最近、といっても、そこまで頻繁にではない。
彼は普段太陽のような笑顔で周りを明るくしている分、ふと考え事をして悩み出すときりがない性格なのだ。
彼が俺に縋って泣く時、なんだか胸に穴が空いたような、冷たい感覚になる。
もっと、もっと俺に力があれば…
所詮、俺達は人生の四分の一も生きていない中学生。
あとどれぐらい余生があるのかはわからないが、世間に言わせればまだまだ子供な、俺達。
でも、これだけは胸を張って言える事があるんですよ、綱海さん。
俺は。
俺が生きる最後の最後まで、貴方を愛してる。
例え貴方の瞳に、俺が映らなくなる時が来ても。
貴方が他のひとを愛しても。
嗚呼。いっそのこと、今此処で貴方が俺を殺してくれたら。
俺が最後にキスしたのが貴方で、最後に見たのも貴方。
貴方の手にかかって死んで、最期に考えたのも貴方の事なんて、なんて幸せなんだろう。
さあ、もっともっと俺を傷つけて。
そうしたら、いつかもし貴方がいなくなっても、この記憶を忘れることは無いだろうから。
だから、殺す覚悟で愛してよ。
−−−−−
波乗りヒーロー様提出文。
提出大変遅れてすみませんorz
こんな拙い文章で大変恐縮です(´・ω・`)
参加出来てよかったです(*´д`*)!
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