「***ちゃんって、マジで出来る女だよな」
「え?いきなりどうしたの?」
平和な午後のひととき。敵襲もなく次の島までまだまだ時間が掛かりそうだ。その隙を見計らって調度今、部屋の中のソファーに座って、サンジに膝枕をして頭を撫でてあげていた所だった。
そう、今は貴重な二人っきりのラブラブタイムなのです。
「マジで最高。自慢の彼女だよ」
「なぁに?誉めても何も出ないわよ」
私はクスクスと可愛く笑った。というか、サンジは大分私の事を勘違いしてる様だ。まあ、私が本性を隠して完璧な彼女を演じているだけであって、実は私は出来る女でもない、女の子らしくもない、上品なんかじゃない、そう
ただの変態だ。
例えサンジの事が好きで好きで好きで、どうしようもなくてたまなくても
「***ちゃん、大好きだ」
と言われれば
「私も大好きよ?」
こう大人目線みたいな?ほら私大人の女でしょ?どうよ、どうなのよ!みたいな返しをする。
本音は、サンジィィィ!私の方が大好きに決まってんだろぉぉ!ていうかサンジに小型の監視カメラと盗聴機つけて毎日見張っときたいくらい愛してんぜーーー!
と、まあ。こんなんですわ。
「あ、サンジほら。スーツシワになっちゃうよ?」
「ん?ああ、だって***ちゃんの膝枕がすげぇ落ち着くからさ。体勢崩したくないんだ」
「ふふ、もうサンジってば」
「***ちゃんの膝クソ気持ちいいぜ…寝ちまいそうだ」
おい、んな萌える事言うと襲っちまうぞコラ。私の本音を知らずにこやつめ。今すぐにでもこのサンジのスーツを剥ぎ取ってやりたい。そして私の部屋に保管して、毎日うっとり眺めたり時には匂いを嗅いだりして変態チックな事したいんだ、こっちは。
「あ、サンジ寝ちゃってる…」
くーくーと可愛すぎる寝息を立てる彼。そしてこの寝顔を見ていると、今にも食べちゃいたいくらいの衝動にかられるが、ここは我慢だ。途中でサンジが起きて、完璧な彼女の存在の自分が崩れて仕舞うような下手なミスは、私はしない。
こんな本音をいつかバレやしないだろうな。と怯えながらも完璧な彼女を、私は今日も演じる。
寝ている彼の寝顔にそっと、キス。
「大好きよ、サンジ」
変態的ラブストーリー
(早く本音いってくれればいいのに。だって俺は、そんな所も含めて***ちゃんが大好きなんだから)