キミを大人にしてあげる





身長の事で、ガラハッドを怒らせてしまった事は悪いと思っている。それは本当。

でも、ガラハッドのあの拗ねた表情は俺の雄を刺激してくるんだよね。

ボールスに「謝った方がいいよ、今後の為にも」としつこくお説教をされて、俺は今ガラハッドの部屋に向かって歩いている。

コンコンッ。

そっと扉を二回ノックすると、中からガラハッドの足音が聴こえた。

「ガラハッド!俺だよ、モードレッド。さっきはごめん。ガラハッドがあんなに怒るなんて思わなかったんだ。少し、話せない?ちゃんと顔見て謝りたいんだ。扉を開けてくれないかな?」

「………今は誰とも話したくない。それに、僕は怒ってなんかないし、気にしてなんかないから!放っておいてくれない?」

まだかなり怒っている様子のガラハッドに、さすがに虐め過ぎたかなと、罪悪感みたいなものが湧いてくる。

「…うーん。それじゃあ、俺の気が済まないんだよね。それに。君を放っておくなんて、俺にはできないよ。」

「え…?何それ。どういう意味だよ?」

ガラハッドが少し興味を示したような口ぶりで訊いてくる。

ここで答えちゃったら、きっと今日はもう部屋には入れてもらえない。

俺はいいことを思いついた。

「…俺、今すぐ大人になれちゃうとっておきの方法、知ってるんだよね。…ガラハッドに教えてあげたくて来たけど、まだ怒ってるみたいだし、また今度改めて教えるよ。じゃあ、またね。」

「…!待ってよ、モードレッド!…部屋、入ってもいいよ。悔しいけど…少しだけ興味あるし…それに…。」

「…ん?それに…何?」

意外にも食いついてきたガラハッドに、俺は思わず声を殺して笑ってしまった。

「それに…モードレッドと気まずくなるの、嫌だし…だからって馴れ合う気はないけど…っ…。」

ガラハッドは本当に可愛い。泣かせたくなるよ…その透き通るような頬を涙でぐちゃぐちゃにさせたい。

いや、本当はもっと淫らな事をして、恥ずかしい事を無理やり言わせたい…。

そんな卑猥な妄想を頭の中で繰り広げていると、ガラハッドの部屋の扉がガチャリと開き、中からムスッとした表情のガラハッドが出てきた。

「やあ、さっきは本当にごめんね。…ガラハッド…顔が真っ赤だよ?どうし…」

「モードレッド…僕を大人にしてよ。」

俺の言葉を遮るようにガラハッドが言い放った言葉は、あまりにも予想外なもので俺は少し動揺してしまった。

「!ガラハッド…?それって…俺に、何されてもいいって…そう捉えてもいいのかな?」

そっとガラハッドの唇をなぞると、ガラハッドは頬を真っ赤に染め身体を僅かにびく、と震わせ俺を見上げた。

「……やっぱり…モードレッドの言ってた、今すぐ大人になれる方法って…いかがわしい事だったんだね。」

「そうだよ。分かってて部屋に入れてくれたって事は…少なからずそういう事に興味があるって思ってもいいんだよね?」

ガラハッドの腰に手を添え、身体を密着させながら耳元で問い掛けると、ガラハッドは目を泳がせながら小さく頷いた。

これはもしかすると…ガラハッドにとっては初体験になるかもしれない。

初めてが俺なんかで良いのかなんて無粋な事は言わないが、少しだけプレッシャーになっている事は確かだった。

「…モードレッド…僕…どうしたらいいの?」

「…ガラハッドは、何も心配する事ないよ。俺に全部委ねていれば大丈夫。」

でも、上手く行くだろう。マーリン殿には及ばないけど、テクニックには自信がある。

ガラハッドの手を引きベッドの傍まで行くと、そっとその薄い唇に自分の唇を重ねる。

舌を入れると、眉間に皺を寄せながらもおずおずと舌を絡めてくるガラハッドに、俺の興奮は高まっていく。

ガラハッドの身に着けている衣服をゆっくりと脱がせていくと、その真っ白な鎖骨にキスを落とした。

胸の尖りに指先で触れた時…ガラハッドの唇から甘い声が漏れた。

「んぁっ……!っ…!変な声、出た…普通なの?これって…。」

「うん、イイ声出てたね?普通だよ、俺だって乳首を触られたらそういう声が出るんじゃないかな。…あまり想像したくはないけどね。」

安心させるようにガラハッドの薄い紫色の髪を撫でると、ガラハッドはほんの少しだけ微笑み、俺の衣服に手を伸ばしてくる。

「モードレッドも…脱いでよ。僕だけこんな格好で、なんか…恥ずかしいんだけど。」

「ああ…そうだね。ついでに灯りも消そうか。」

部屋の灯りを消すと、ガラハッドが俺に後ろから抱き着いてきたのが分かり、俺は驚きのあまり言葉を失った。

「…モードレッド……優しくしなくていいよ。モードレッドのやりたいように、僕を抱いて…。」

「…!ガラハッド……良いのか?…分かった。じゃあ…遠慮なく…。」

ガラハッドの華奢な身体をベッドに押し倒すと、両脚を大きく開かせその中心にある欲の塊に両手を添え、舌を這わせていく。

「ひぁっ…ん、ぁっ…!そんなところ…っ!汚いよ…っ!あ、ぁっ…は、ぁ…っ!」

「どうして?綺麗だよ…ガラハッドの味がする。ほら…どんどん溢れてくるよ?」

想像以上にガラハッドが淫らに喘ぐから、俺の興奮は早くもピークに達しそうになっていた。

俺はガラハッド自身から口を離すと、口元にべっとりと付いているガラハッドの精液をガラハッドの蕾に塗りたくっていく。

「ひっ…!?あ、ん…っ…な、に…?気持ち良い…っ…。」

「本当?ガラハッドは後ろも性感帯なの?可愛いなあ…もう、俺のが欲しいんじゃない?」

ガラハッドの蕾に指をツプリ、と挿れグチュグチュと音を立てながら激しく指をピストンさせるとガラハッドは切なげな嬌声を上げ無意識に腰を揺らし始めた。

「あっぁっ…!はぁっ…んぁっ……も、指はいい…モードレッドので、気持ち良くしてよ…。」

「…ガラハッドは、俺の何で気持ち良くなりたいの?ほら…ちゃんと言わないと、ずっとこのままだよ?それとも、淫乱なガラハッド君は、指だけでもイケちゃうのかな?」

ガラハッドの耳元で意地悪く訊くと、ガラハッドは瞳を潤ませながら俺を睨みつけてきた。

そして、その細い指がそっと俺自身に這わされると、俺は小さく笑みガラハッドを見つめた。

「……モードレッドの、熱くて…固くなってるので、気持ち良くなりたい…ちゃんと言ったんだから、くれなきゃ許さないからっ…。」

参ったな…ガラハッドがこんなに可愛くおねだりしてくるなんて思っていなかった。

調子が、狂うよ。ついさっきまで、ただの興味本位だったのに…ほんの数十分しか経っていないのに、こんなにも夢中になってしまうなんて…。

俺はガラハッドの腰を掴むと、自分の熱く昂ぶっている自身をガラハッドの淫らに蠢く蕾に宛がい、ゆっくりと腰を押し進めていった。

「…ガラハッド…っ…!俺…ガラハッドの事……好きになってもいいかな…っ?」

「はっ…ぁ、んっ!んぁっ…僕に、こんな事…しといてっ…好きになってくれなかったら…許さない…ひぁっ…!ぁ、も、無理っ…!イッちゃ、う…っ!」

ガラハッドは限界が近いのか、その薄い緑色の瞳から大粒の涙をぽろぽろと溢し、口元からは涎を垂らしている。

ガラハッドのこんなに乱れた姿を見られるのは、きっとこの城で俺だけ。

そう思うと胸に僅かながら優越感みたいなものが込み上げてくる。

「…ガラハッド…好きだよ。世界でたった一人…君だけが好きだ。」

「ぁっ…僕、も…モードレッドが…好き…っ…大好き…っ…。」

最奥を激しく突き上げると、ガラハッドは身体を大きく跳ねさせ先端から真っ白な精液を迸らせ、ベッドに蹲るように倒れ込んだ。

その後すぐ、俺もガラハッドの中に欲望の証を放つと、ぐったりしているガラハッドの背中にキスをしてからそっと自身を引き抜いた。

相当疲れたのだろう。いくら普段それなりに鍛錬を重ねているとはいえ、いきなり普段使わないような筋肉を使ったのだから当然だ。

俺はそんなガラハッドの身体に毛布をかけてやると、包み込むように抱き締めた。

まだ仄かに赤く染まっているガラハッドの頬に優しく唇を寄せると、それまで黙っていたガラハッドが突然顔を上げた。

「…ガラハッド?どうしたの?あ…もしかして、どこか痛い所でも…――」

「変に気を遣わなくていいから…もっと…強く抱いていて。モードレッドの体温を感じたい…。」

ガラハッドの瞳が涙で濡れているのが分かり、俺の下半身が再び疼き出す。

「…そんな事をそんな瞳で言うのは、俺の前だけにしてね?俺、こう見えても嫉妬深いんだから。」

「……こんな恥ずかしい事、誰にでも言うわけないよ。」

夜空を見上げると、数え切れない星達が俺達の未来を照らすように、輝き続けていた。

「…愛してるよ、ガラハッド。」

「うん…僕もだよ、モードレッド…。」



end.

2013.11.15


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