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「……で、なんでマヨはいなくなった訳?」

俺が直球を投げた。

「知るか。」

カキーン。
わぉ、坂田選手のボールを見事に跳ね返しました高杉選手!


……じゃなくて!


「わかるわけなかろう。音信不通なんだぞ。」

おぉーっとぉ!
ライトの桂選手がボールをスライディングキャッチ!

……あれ?俺頭おかしくなったか?

さっきから変な実況をし始めちゃってるよ。

「何一人ぶつぶつ言ってんだ、キモいんだよ。」

レッドカードォオオオ!!
退場!暴言を吐いたことにより高杉選手が退場されていきます!

「……いい加減にしやがれ。」

はい、すいませんやりすぎました。
危ないモン突き付けられてますがイエローでいいです。



フゥ、と桂がため息をついた。

「何処か土方が行きそうな場所、心辺りないか?」

真面目な顔で桂が喋る。

だが、俺達は首を横に振るだけだ。

「つーかよぉ。それって土方のこと詳しくねぇと分からなくねぇか?」

高杉が机にもたれながら言う。

「それなら無理だな。あんなマヨラー、理解してねぇし、したくもねぇよ俺は。」

俺も同感。

「なんか居場所がわかるようなの土方持ってねぇかな?GPS的なやつ。」

「いや、携帯は電源が切られているしな…」

俺の質問に桂が口に手を当てて考えこむ。

10秒後、あ…とか言って桂が自分の机の引き出しを開けた。
何やらごそごそと探しているらしく、桂の後ろから俺と高杉が覗き込む。

あった、とか言いながら取り出したのは……


まさかのゲーム○ーイ。

「お前……何それ。」

呆れながら俺が聞いた。

「知らんのか銀時。ゲーム○ーイだ。」

「いや、知ってるよ。知ってるけどさぁ……なんつーか、古くね?」

「おい、なんだゲーム○ーイって。D○なら知ってるが。」

「あれだよ、D○の前の前ぐらいのやつで10年前に発売されたんだよ。」

「ほぉ、だからこんなボタンが少なくて画面が小せぇのか。」

「何を言っている。最近のやつは画質が良すぎて色々な機能をつけすぎなのだ。だからちょっとした衝撃で画面が止まったりバクが起きたりする。これくらいがちょうどいい。」

「で?これが何なの?」

俺の問いに桂がフッと笑った。


**********



「この辺だな……。」

夜の人気がない寂しい道に俺達3人はいた。

左手にゲーム○ーイを持った桂がずんずん前を歩いていく。
その後ろを俺と高杉はコソコソ話しながらついていく。

「おい銀時、何なんだよ一体。いくらなんでも無理矢理過ぎんだろ。(小声)」

「んなこと俺に言われても困るわ。(小声)」

「二人とも何を話している。(呼び声)」

小声で話していると桂の声が前方から飛んでくる。

「早く付いてこんか。改造したゲーム○ーイによると土方の電棒からの電波は、ここから半径100メートル以内から発信されているらしいぞ。」


そうなのである。
桂が今持っているゲーム○ーイは改造を施しており、電棒(桂の発明品)からの電波をキャッチするとかなんたらかんたら。
しかも音声通信も可能だとか。
要するに、武器+トランシーバー+GPS=電棒.(ちなみに音声は何も聞こえなかった。)

という、無理矢理過ぎる設定で今ここにいるのである。
作者はもっと頭を捻ったほうがいいのである。

「っても、仮に土方がここにいたとしても何でこんなところにいんだよ。」

高杉が呟いた。

辺りは真っ暗。人気も夜だからか全くない。

「やっぱり何かの事件に巻き込まれているのだろうか?」

「やっぱりマヨネーズを探し回ってんじゃねーの?」

「ドジ踏んで落とし穴に落っこちてるってのも有り得るぜ。」

「………真面目に考えんか。」

「いや、だってよ………「!!」」

俺と高杉がバッと後ろを振り返った。
そんな二人を訝しげに見る桂の視線を背中に感じたが、今は後ろを気にしている場合ではない。

「どうした?ふた……「悪ぃヅラちょっと黙ってて。」

桂の問いに俺の声を被せる。


少しの沈黙。


誰もいない、道。


なのに、

「銀時……」

「あぁ……わかってる………。」


―…何かが、いる。

「意識範囲、広げられるか?」

高杉の言葉にあぁ、と返事をし意識を集中させる。


ジワリ、ジワリ。

―…!!

「かかった。」

「どこにいる?」

二人だけで喋っているのにたまり兼ねたのか、桂が口を開いた。

開いた口から出てきたのは。

「がはっ!!」

「!! ヅラどうし……うぐっ!」

ヅラのほうに振り返った高杉が倒れ込む。

「おぃたかっ…!!」


ガッ。

鈍い音が、聞こえた。


だんだん、だんだんと意識が遠のいていく…――


―……くっそ………!





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