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白いコートのフードを被った誰かが叫びながら入口を指差す。

「何!?ナイトが!?待てぇええ!」

バタバタとすごい勢いで入口に向かう刑事ら。

何人かが俺にぶち当たって行く。

「ってぇ〜…。危ねーだろが!謝りやがれ!」

身体にぶつかったのに謝りもせず素通りしていく刑事ら。

いつのまにか、隣にいたヅラと土方もいなくなっていた。

「あいつら…!」

――ドンッ

「って!おぃ!てんめえ気をつけろ!」

誰かが俺の左脇腹にぶつかってきやがった。

そのまま、謝りもせずに走っていこうとするので咄嗟に左腕を掴んだ。

「おぃ!俺に謝れ!」

白いフードを被ったその刑事が振り返る。
あ、こいつさっき叫んでたやつだ。

フードのせいで顔は見えないが。

「おぃ!謝れっつってんだよ!」

中々謝る気配がないので掴んでいる腕に力を加える。

「うっ……!ぐぅ…っ!」

「!?」

刑事がうめき声をあげた。その拍子に頭のフードがファサリととれる。

…月光に照らされたのは、紛れもない。


亜麻色。


「お前っ…!ナイト!」

更に逃がすまいと腕に力をこめると、手にぬるっとした感触。

「…?…うわっ。」

白いコートの掴んだ部分から赤黒い染みが広がっている。
反射的に手を離すと、ナイトは螺旋階段のほうへ走っていく。

「おい!待ちやがれ!」

後を追う。

階段を駆けのぼり、ベランダに出て屋根に跳ぶナイト。
後に続いてベランダの柵から屋根に飛びうつった。


が、どこを見渡しても、奴はいない。



かわりに見つけたものは、


奴の鮮血と


氷でできた血のついたクナイと






血にまみれた、アイマスク。





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