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静かに目を開けた。

「…あり?」

目開けたのに真っ暗でィ。

あ、そうか。アイマスクつけて寝たんだっけ。

上半身を起こして左手でアイマスクを取る。

「はぁ……。」

ため息をこぼし、ぐしゃりと右手で前髪を掴んだ。

「今更………」

なんで、あの時の夢を見るんでィ…。

………銀色の髪を数日前見たからか?

「…意外と影響受けやすいな俺。」


ふと時計を見ると夕方の6時。

「そろそろ準備しねーと…。」

布団から出ていつもの服を着る。


今回美術館に予告したのは『マヨリョーシカ』。

あれを盗んで、ロシアに送れば……

「…これで終わりだ。」

館長の逮捕は警察に任せよう。
机の上にあるたくさんの警察試験の参考書を眺めながらそんな事を考える。


今まで盗んだやつも全部元あった場所に送ったし。



「……でもあの人達、一体何なんだろうねィ。」

個性的な奇捜班という方々。
あの人達は見ていて何というか…飽きない。

「…普通犯人が目の前にいたら何がなんでも捕まえようとするだろ。」


思い出し、クスっと笑う。あの銀色の髪の天然パーマの人。

まぁ俺も俺か。
敵であるはずの警察を手当てするなんて。



銀色の髪の刑事に、さっき夢に出てきたあの人の面影が重なった。

アイマスクを目につける。
………もう


自分のせいで

誰かが傷付くのは



嫌、だ。

「…………師匠。」





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