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機械じみた一室。天井は高め、窓はどこにもない。
見た事ある部屋。遠い昔だ。
目線がいつもより低いから俺の小さいとき。
あぁ、これは夢、だ。
目線の先に誰かいる。
銀色の腰までありそうな髪をひとつのポニーテールにまとめているその人。
その人は屈み、俺と目線を合わせた。
『いいかい?もう少し大きくなったら絶対にここを抜けだすんだ。』
『どうして?』
俺は尋ねた。
『君達には、こんな暗く淀んだ黒い夢より、明るい夢を見てほしいんだよ。』
『明るい夢…?』
『そ。光がいつも差し込む明るい夢。ここは…光なんてものはない。あるのは…。』
そう言ってその人は俺の頭に手を乗せる。
『……君達には教えたくないな〜。』
悪戯っ子のように笑うその人。
『え〜!教えてくれてもいいじゃないですかィ!』
『だめだめ。ほら、明日も訓練あるんだから寝る準備寝る準備!』
『ケチ〜!』
ぷぅっと頬を膨らます。
『さ、皆も急いで寝よう!』
『『『『『は〜い!』』』』』
俺達は元気に返事をする。
『一緒に寝よ!』
そう言って俺に小さい手を差し出す珍しい髪の色を三つ編みに束ねている男の子。
『うん!』
俺は手を握り返した。
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