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画面には赤黒い雫が写っている。
「これは…?」
「暗殺専門集団『時雨(しぐれ)』。」
「!?…知ってんのか高杉!?」
「噂なら聞いたことがある。その名の通り暗殺を生業(なりわい)にしている殺し屋集団。金を積めばどんな奴でも望み通りに殺してくれる…どんだけ残虐でもな。証拠ももちろん出てこねぇ。噂によるとこの街のどこかにアジトがあるらしい。」
「その通りだ。時雨出身の犯罪者で有名なのが『怪盗ミラージュ(蜃気楼)』っていう奴。資料の中にあったんだが、ミラージュは服に時雨のマークがあったのを刑事が見て時雨出身だと分かったんだと。」
「その時雨のマークとはどんなものなのだ?」
「今現在確認されてんのがこの赤黒い雫のマークとこれに雲がかかったようなマーク。雲の色は真っ赤っ赤だったらしい。」
「確かミラージュは今も捕まってなかったんじゃなかったか?」
「あぁ。6年前を境にパッタリ表舞台に出てこねぇ。」
「……6年前か…。その頃、身元が不明の子供が30人程保護されたことがあったな。」
桂が顎に指を当てて考え込む。
「あったか?そう言う事?」
高杉が俺に問い掛ける。
「いや、覚えてねぇ。」
「無理もない。6年前の話だ。」
「あ、あと気になった報告書があったんだが……」
画面をスクロールする。
「…あ、あった。これはミラージュが姿現したときのある刑事の報告書なんだがな…。ここに『ミラージュは変なアイマスクらしき覆面をしていた。』って書いてんだよ。しかもご丁寧に絵まで描いてくれてる。」
「!…おぃ土方。これは……。」
「あぁ。」
刑事が描いていた絵、目玉が二つ描いている黒いアイマスク。
「間違いねぇ…。ナイトがつけてたモンだ。」
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