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「で?そっちはどうだったんだ?うえ(上層部)に呼び出されたんだろ?」
「あぁ。その事なんだかな。」
切り替え早っ。
思わずそうツッコミたくなる桂のかわりよう。
「またもや予告状が届いたらしい。」
誰から、かは言われなくともわかる。
「場所はいつもの美術館。今回予告されたのは『マヨリョーシカ』というロシアの人形だ。」
「『マヨリョーシカ』ぁ?マトリョーシカの間違いなんじゃねーの。」
俺もそう思う。(ちなみにマトリョーシカは開けても開けても中から人形が出てくる木の人形。)
「それがな、人形の中にはマヨネーズが入っているのだ。それも100年も昔に作られたやつがな。しかもサラダと一緒に食べられる。」
「んだよそれ。それのどこに希少価値が…「マジでか桂!!」
バァンと俺が立ち上がる。
「どした土方?」
「高杉お前知らねーのか!?マヨネーズってのはなぁ、空気に触れると傷んじまうんだよ!今や日本ではプラスチックの容器を使われているがそれでさえ100年も、もつなんてことは事実上不可能!」
「おめーよく知ってんな。」
「それが100年経った今も普通に食べられ、しかも木でできた容器に入ってるなんてすごすぎんだろがぁ!」
「何一人興奮してんだこいつ。」
「まぁ土方の言う通り何かが『すごすぎる』から美術館に展示しているんだろうな。」
「いや、でも待てよ?確かマヨネーズは元々フランスの調味料のはずだぜ?マトリョーシカはロシア人形だろ?」
「さすがマヨラーだな土方。それが、うえ(上層部)によると昔フランス人の旅人がおってな。ロシアでマトリョーシカを見て何層もの器に入ったものならマヨネーズも腐らないと考えた。それでマトリョーシカ改めマヨリョーシカができたというわけだ。フランスのとある骨董屋から美術館の館長が高額で買い取った。」
「その館長のこと、土方調べたんだろ?俺が病院行ってる間。」
「ん?…あぁその事なんだが。」
名残惜しくマヨネーズワールドから帰還。
「あの館長…なんか裏がある気がすんだよな。」
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