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一人語り終了。
「でもよ、なんで坂田がナイトと遭遇してんだよ?俺達が追いかけたはずじゃねーか。」
俺の疑問の中のひとつを高杉に投げかける。
「銀時の話じゃあ、俺達はまんまと奴の罠にハマったんだとよ。窓の前で掲げた包帯はフェイク(偽物)。俺達は奴がもう盗み、外に逃げたと思いこんじまった。実際は俺達全員が外に出た後、本物を盗もうとしていたんだよ。」
「そこに銀時が居合わせたというわけか…。」
もっともらしく腕を組む桂。
「銀時いわく、『馬鹿なおめーらと違って俺は優秀だからな。あんなニセモンに騙されるなんざ、奇捜班の風上にもおけねぇ。ま、詳しくはTarget2参照。』だとよ。」
チッと高杉が舌打ちした。
実はさっき、桂がうえ(上層部)に呼び出され、俺が資料を調べていたときに、高杉に坂田の病院に行って話を聞いてきてもらった。(その時に前Pageのふざけた報告書を銀時に渡された。)
「あいつ俺が何があったか聞いても『ナイトの身体柔らかかった』とか『良い匂いがした』とかキモイ事しか言わねーんだよ。現にこの報告書の省略した部分もそんなことしか書いてねーし。思わずバカのこめかみに拳銃を…」
「何いぃぃいい!?それはまことか高杉!」
桂が立ち上がる。(椅子倒れたぞオイ。)
「なっ…まさか!バカはナイトの身体に触れたというのか!」
「俺が知るかよ。」
バックに炎が見えそうな桂に対し、さらっと流す高杉。(桂、今坂田のことバカって言ったよ。ついバカって言っちゃったよ。)
「俺ちょっと銀時に話聞いてくる!」
「待て待て待て待て待て!」
出口に向かう桂を慌てて止めにかかる俺。
「落ち着け桂!」
「離せマヨラー!バカを一発…いや十発殴らないと気がすまぬ!」
「なんかこの世界で俺マヨラーって呼ばれてるけどこの世界じゃ一回もマヨネーズ登場してないからね!?それと坂田が羨ましいとか全然思ってないから!いや違うから!別に坂田に感触はどうだったとか聞こうとか考えてないから!胸の中の疑問を解決しに行くだけだから!」
「やかましい土方!いいから離せぇえええ!」
――ドォンドォン!!!
ピタッと俺達は動きを止めた。
出口のドアからは二筋の煙りが細く上がっている。
振り返ると高杉がこちらに銃口を向けていた。
銃口から煙が出ている。
高杉のまとうオーラに一体誰が飲み込まれずにいられるだろうか?
「―…てめーら。いい加減にしねーと頭ぶち抜くぞ?」
「「すみませんでした。」」
素直に謝り、自分の席に座った。
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