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「なぁ、ナイト。」
「ん?何ですかィ?」
カチャカチャと鍵を回しながらの返事。
「なんで俺を…助けたの?」
「へ?なんでって言われやしてもねィ…。」
「俺に逮捕されるとか考えなかったの?」
「う〜ん…。そりゃ少しは考えやしたが、怪我させちまったんだし。治療のほうが大事だろィ?それに…」
『フィラオのバンテージ(包帯)』をケースから取り出し、なんかの袋に入れて腰のポケットにしまう。
「…俺、最終的に捕まっちゃってもいいんでさァ。」
最終?どういうこと?
「なら、本当にこれで。」
かばんから名刺ほどの大きさのカードを取り出し、ケースに入れる。
ナイトはナイト(夜)に消えていった…。
暫く呆然と座っていた。
頭に浮かぶのは憎たらしいアイマスク。
会うまでは憎たらしい、そう思っていた。
でも……
「フッ…。」
笑い、左手で顔を覆う。
暗い天井を仰いだ。
「………ヤラレちゃったぁ。」
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