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現在時刻、夜8時15分。
俺達奇捜班はまたこの美術館にやってきた。
しかし、前回と部屋が違い、5階の部屋だ。
入って右側には大きな窓が天井近いところに横一列で5枚。
外には白色の洒落たバルコニー。
左側には空のケースを乗せた黒色の直方体の土台が数個。全体的には前の部屋と同じぐらいの広さで天井が高くなった感じ。(あ、シャンデリアがある。)
「なぁなぁヅラ、マダオのパッケージってどれだよ?」
「阿呆。『フィラオのバンテージ(包帯)』だ。見かけは只の包帯だが、エジプトの王フィラオの右手に巻き付けられていた包帯らしい。」
「なんで、んな古くせぇ布の切れ端が美術作品なんだよ。」
「フィラオがなぜ右手に包帯を巻いていたのかが、未だ解明していない。もしかしたら、大昔のエジプトの歴史がわかるかもしれんだろう。まぁ重要な歴史的研究価値がおおいにあるのだ。」
「そんな大層なモン、エジプトの研究家に渡しといたほうがいいんじゃねぇの?」
「俺もそう思うんだが…。」
「あ、あった。」
高杉の声が部屋に響いた。
「ん、どれ…ギャン!」
高杉に駆け寄った坂田が盛大にすっ転ぶ。
「何やってんだよ坂田。」
「イデデデ…なんかに引っ掛かったんだよ。」
坂田の足元には黒いコード。
向かって右側に高杉がいて高杉の目の前には包帯が入ったケース。
左側にもケースがあるが、中身は空。
それぞれのケースを乗せている直方体の黒色の土台には事務いすとかに付いてるやつが付いていてその土台の下から黒いコードがのびている。
コードは二つの土台を繋いでおり、窓側の壁にのびている。(多分ケース内のライトアップ用のコードだと思われる。そして坂田がすっ転んだとき、二つのケースが少し引き寄せられたので事務いすとかについてるやつにはロックがかかっていないように思われる。)
坂田はどうやらこれに足をとられたらしい。
「ったくあぶねーなぁ〜。子供が引っ掛かったらどうすんだよ。あのクソ館長。」
足元を見なかったお前はどうなんだ。
「とにかく、足元には十分に注意せねばな。あ、銀時、これを…。」
「んだよコレ。」
「『フィラオのバンテージ(包帯)』のケースの鍵だ。悔しいが、この中で総合的に強いのはお前だからな。」
「そんなに褒めるなよ〜。照れる☆ZE。」
そういいながら鍵をズボンにしまう。
チャカっと高杉が坂田に銃口を向けたその時。
部屋の電気が消えた。
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