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「おぃ、しっかりしろ!」
桂が近くにいた亜麻色の髪をした警備員に駆け寄り、上半身を起こさせる。

「うぅっ…。」

警備員は呻き、目をうっすら開いた。

「大丈夫か?」

「…ぅ、んぅ。」

「何があった!?」

「……奴が…ナイトが…来て………殴られて…ナイトが…トイレに…うっ。」

「高杉、銀時!トイレに行ってくれ!」

「言われなくても分かってらぁ!」


坂田がそう言い、高杉とトイレの方へ走り出す。

「土方!そちらの警備員を起こしてくれ!」

「あぁ!」

俺は返事をしてもう一人の警備員を声をかけながら起こす。

目は開かないが息はあるのでひとまずほっとする。

「あの…すみません…。」
意識が大分はっきりしてきたのだろう。桂が起こした亜麻色の髪の警備員が話しかけてきた。


「このことを館長に知らせてきます。これも仕事の一つなので。」

そう言って立ち上がる警備員。


今改めて警備員を見ると、サラサラだろう亜麻色のショートヘア。
長い睫毛。
大きい赤い目。
綺麗な形のその他のパーツ。


一言で言うと――――「可愛い」。


いやいやいや、この警備員男だろ?声的に。


でも…今まで見てきた女の中では1番…

いやいやいやいや、俺にそんな趣味ないはずだし…。

じぃっと目の前の可愛い顔を見ていたら


「…あの?館長呼んできてもいいですか?」

「…は!?」

違う世界に意識が飛んでたので一瞬何を言っているのか分からなかった。

「いや、だから、館長呼んできてもいいですか?」

じっと赤い目がこちらを見てくる。

う゛……。
妙に心臓がうるさい。
と、とにかく質問に答えないと…!


「あぁ、構わねぇぞ。」

なるべく平静を装った。(つもり。)

「では、失礼します。」

ペコッと丁寧にお辞儀をしてタタターッと部屋を出ていった。





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