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バァンと扉が開いてこの班の残り二人が入ってきた。
「貴様!俺のことについては何も説明していないではないか!」
長髪を垂らした男、桂小太郎が叫ぶ。
「なんだよ。どうせてめぇらこの話のサブキャラ的ポジションじゃねーか。」
「おぃ、土方ァ。そんなに俺に撃ち殺されてーのか?」
左目眼帯、高杉晋助が俺に拳銃を突き付ける。
…まずい。
「待て待て待て待て!分かったから!ちゃんと説明するから!」
半分脅しだかこの二人の説明を。
まず、長髪を垂らしているのが桂小太郎。
発明が得意で爆弾処理とかもできる。
そんでいまだに俺に拳銃突き付けてるやつが高杉晋助。
奴は拳銃が俺達の中では1番上手い。
その腕は百発百中と言っても決して過言なんかじゃねえ。
左目には眼帯を付けていて、目つきが悪い。(俺が言える立場じゃねえが。)
「これで満足か?」
「んな訳あるか!俺の事については二文しかないだろうが!」
ギャンギャン吠える桂。
「まぁもうこのくらいでいんじゃね?あんまりダラダラ説明してたら読者が飽きるわ。」
坂田がもっともなことをいう。
「これから先読んでけばなんとかなんだよ。ヅラは黙ってろ。」
「黙れ高杉!お前は説明4文もあったから不満はないのかもしれんが俺は2文だぞ、2文!それと俺は桂でヅラではない!」
「で、とりあえず上層部(うえ)は何て言ってきたんだ?」
これでは本当に話が進まないので無理矢理会話をぶった切る俺。
「…あぁ、そのことなんだが。」
そう言って高杉との言い合いをやめ、腕を組み俺達を見回す桂。(相変わらず仕事のことになると真面目だ。)
「おぬしらも知ってると思うが、最近怪盗ナイトという奴が巷を騒がせておるだろう?」
「あぁ、これだろ。」
手に持ち続けていた新聞を桂に見せる。
「で、その怪盗君がどうしたの?」
机に寄り掛かる坂田。
「うむ。実はこの『パプペポンの柱』を盗まれた美術館に怪盗ナイトから予告状が送られてきてな。それで、その美術館の警備をしてほしいとのことだ。」
「なんで俺達?そんなん美術館の警備員に任せときゃいいじゃん。」
「相手が『怪盗』で俺らが『奇搜班』だからだろーが。」
高杉がめんどくさそうに言う。
…そう、高杉のいうとおり、今回の相手は『怪盗』。
そもそもなぜ俺達の班が『奇怪事件捜査班』と言う名前なのか?
それは字のごとく、奇怪な事件を扱う班だから。
奇怪な事件とは主に普通の刑事では手が出せないような『神隠し』や『密室事件』などなど…。
「つまり、上層部(うえ)が解決できなかった事件を無理矢理押し付けられる、それはそれはかわいそうな班なんだよ。」
「ちょ、坂田、俺まだ語ってる途中なんだけど。」
「もう、お前の語りとかどうでもいいんだよ。ていうか、うざい。」
「説明しろって言ってきたのどこのどいつだァァ!」
「で、怪盗君は何時に何を盗みにくるの?」
おい無視してんじゃねーぞ。
「時刻は今夜11時、『ヒマラヤ山脈の金塊』という希少価値の高いものだ。」
桂がメモをめくりながら答える。
「11時か。なら今からファミレスでパフェ食う時間は充分にあるな。」
「言っとくが今からは作戦会議だ。」
「真面目だね〜。ヅラは。んなもん盗まれるときは盗まれんだよ。」
「怪盗ナイトを捕まえたらボーナスアップ。」
「よしっ。今から作戦会議だてめーら。」
「「「…。」」」
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