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「ちょっと土方さん!どういうつもりなんでィ!」

ここは体育館裏。

「なんであんな事したんですかィ!いきなり舞台に出てきてお、俺に…」

言いながら真っ赤になり俯く沖田。

「俺になんだよ。」

がばっと顔を上げ土方を指を指しながら睨みつける。
「分かってるくせにとぼけてんじゃねェ!本当ならあそこで銀八が俺に接吻するはずだったじゃねぇですかィ!」

「…お前さ、『接吻』の意味分かってる?」

土方は察した。沖田は接吻の意味を分かっていないと。(無理もない。そういう色恋に関わらないよう超過保護な近藤と土方が…以下略。)

「は?接吻ってアレだろ?ご飯の中に入っててナントカ液をつけたら青紫色になる…」

「…それはでんぷんだ。」
ちなみにナントカ液とはヨウ素液のことである。

「え?そうなんですかィ?」

「…。」

無理もない。そういう色恋に…ではなく、沖田は授業のほとんどを睡眠に費やしているのだから。

「でさぁ、結局お前はどうなんだ?」

「ん?なにがですかィ?」
「その、だから俺にいきなりキスされてさ。」

「え!?いや、それは…。」
再び俯く沖田。

「嫌だったか?」

「…。」

黙ること30秒。(この間土方は辛抱強く返事を待った。)

ようやく沖田が口を開いた。

「…じゃ……でさ…。」

「え?」

「〜〜だからァ!嫌じやなかったって言ってんでさァ!」

半分キレかけ、自暴自棄、やけくそになる沖田。

「でも自惚れんじゃねェぞエロ方!別にてめぇのことが好きとかそういうのんじゃ…」


「あぁ〜分かった分かった分かった。だからもうそれ以上何も言うな。りんごみたいな顔で言われても何の説得力もねぇーっての。」
「誰がりんごだコノヤローォォォォ!」

土方に殴り掛かる沖田。

難無くそれをかわす土方。
「…まぁ仕方ねーな。こんだけ鈍感にしちまった原因は俺と近藤さんにあるんだし…。これからじっくり捕まえればいいか…。」

逃げながらフッと笑う土方。

あいにく土方をぶっ飛ばすことに必死の沖田はその土方の笑みに気づかなかった。







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