10月11日「おそろい」
「ぜったいこれがいい!!」
「だぁからんなの総悟は気に入らねぇつってんだろ。」
「えー絶対可愛いと思うんだけど。ほらこのもふもふしたの付けてる総悟想像してみてよ。不良1000人ぶっ続けで相手できるくらいの萌えパワーになると思う。」
「総悟をお前の喧嘩の燃料に使うな。」
「えーなにそれ。晋助だって毎晩総悟のイヤラシイ姿妄想して励んでるくせに。」
「本人の前で言ったら殺すぞ。」
「事実なんだ。」
「うっせえアイツが悪い。昨日も寝惚けて布団の中ひっついてくるし。」
「あの時の晋助の顔傑作だったなぁー。修学旅行さまさまじゃん。大浴場ん時とか露骨に避け過ぎだって。あれじゃ総悟に感付かれちゃうよ?」
「…………。」
「うん?」
「おめえはどっちなんだ。」
「何が?あ、これも総悟に似合うかも。」
「言うか言わないか。」
「何を?うわ高いなぁ、土産屋嫌いになりそう。」
「おい。」
「はいはい。うーんそうだなぁ。俺は多分言わない。」
「多分?」
「何かきっかけがあったら……例えばほら、今総悟の隣に当然のようにくっついてる土方が総悟に告白とかしたとするでしょ。」
「………。」
「そしたらね、総悟はきっと悩むんだよ。」
「………。」
「幼馴染みなんでしょ。悔しいけど、総悟と過ごした時間は俺らの方が圧倒的に少ないんだ。」
「………。」
「いつも喧嘩してるけどさ、土方は総悟の世話焼いて総悟はなんやかんや土方を頼りにしてる。今だって、総悟の姉貴への土産を一緒に選んでるみたいだし。」
「………。」
「この先、卒業してからも支えてくれる分かりあえた存在……そう考えたら、そのまま土方とくっついちゃうかも。」
「………。」
「その時は言うよ。何もしないで土方がでれでれしてるのもムカつくし何より自分に一番腹が立つ。」
「………。」
「晋助?」
「…なんつーか。」
「ん?」
「それ、絶対言わないよな。」
「は?」
「気づいてんだろ、総悟が誰が好きか。」
「何の話?」
「おめえは総悟の事考えて、結局言いやしねえんだ。」
「言ってる意味がワカリマセーン。」
「総悟の幸せ考えりゃ、言えるわけねぇ。」
「ねえそれ誰に対して言ってんの?」
「あいつが好きなやつは「晋助黙って。」
「………。」
「それ以上喋ったら殺しちゃう。」
「……俺殺したら総悟が悲しむってか。」
「さあ。」
「じゃあこの手離せ。服が伸びる。」
「うん。」
「おーいお二人さんなにやってんでィ喧嘩?やめてくだせェ修学旅行に来てまで。」
「あ、総悟。お土産もういいの?」
「へい、大体買った。あとはいこれ。こっち晋助な。」
「え、これって総悟……」
「じゃじゃーん『日本芸の極み!職人が焼いた湯呑み三点セット〜椿・紫陽花・向日葵〜』3つで1000円とかお得だろィ。俺ヒマワリにしやすから。あ、一人333円な。アジサイとか晋助の髪の色そっくりでさ。」
「で、総悟これどするの?」
「ほら部屋に湯沸し器あっただろ。今日の夜あれでお茶飲もうぜィ。煎茶。」
「修学旅行で男3人が茶飲む…」
「何でィ。」
「……じじくせ「ありがとう総悟大好き愛してる!!!!!!!!!」
「おー。分かったから333円な。そして苦しいから離してくだせェ。」
「ほんとありがとさすが総悟!!うんうん今日はお茶をまったり飲んでまったり寛いでまったり枕投げしよう!!」
「最後全然まったりしてねぇだろ。」
「そして他校のムカつく奴らボコりにいこうよ!!」
「だから喧嘩は………はぁ、晋助こいつどうにかしてくだせぇよ、その秘められた左目で。」
「何も秘めてねぇよ馬鹿。」
「よしそれじゃ早速部屋帰ってお湯沸かそう!!一生このコップ大事にするよ!!」
「おー。いやだから333円。」
「………晋助。」
「?」
「今を大切にするのもアリだと思うよ。」
「………。」
「なんの話でィ。」
「ほら晋助。」
「……総悟、ついでに茶に合う菓子でも買おうや。」
「お、ナイスアイデア。そんじゃさっきいい感じの店見つけたんで行きやしょうぜー。」
「れっつらごー!!」
その後、宿泊施設の部屋でお揃いの湯呑み+名産の和菓子を囲み、ババ抜きに盛り上がる三人を見たとか見なかったとか。
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人生初高沖威\(^o^)/
色々ミスりましたが読んで頂きありがとうございましたm(__)m
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