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「珍しいな、総悟が寝坊するなんて。」
おはようといつもの挨拶を交わしてからニヤニヤ顔でそう言ってくる。
お隣さん兼幼なじみの土方十四郎、通称トシ。
「べ、別に寝坊したわけじゃないでさ。」
自分の頭1つ分高いトシに言い訳する。
するとトシがいる反対のほうから
「そうだよー、あんま総悟をいじめたんなや土方。総悟のことだからまた練習でもしてたんだろ?」
と、俺の頭をくしゃくしゃしながら「おっはー」とあいさつしてくるのも、お隣さん兼幼なじみの坂田銀時ことギンだ。
「よく分かりやしたね。」
「俺は総悟のことなら何でも知ってんの。はい、寝癖直った。」
「ありがとう。」
「おい!俺だって総悟のことなら頭のてっぺんから足の爪まで分かるぞ!」
俺を挟んでトシがギンに抗議してきた。
まずい…。
「は?何言ってんの。俺は総悟の身長、体重、座高まで知ってるし。」
「んなこた常識じゃねぇか!!俺なんかスリーサイズ知ってるし!!」
「靴、帽子、服のサイズ、……」
始まった…。昔っからのこの光景に額に手を当てる。(スリーサイズって…それ女の人の基準じゃなかったっけ?)
「二人とも朝から喧嘩は止め…「じゃあここで総悟クーイズ!」………へ?」
「何だそれ。」
「今から総悟に関するクイズを出します!答えられたらストーカーと総悟に見なされます!不正解の場合は即刻総悟から離れろや。」
「ギン何言ってるんでさ。」
「おいそれどっちに転んでもマイナス要素しかねぇだろ!」
「第1問!総悟の身長は高校に入ってから何センチ伸びたでしょう?」
「無視かオラ。」
「俺自身その答え知らないんですけど。」
「10〜9〜8〜7…」
「………0センチ。」
「……………チッ。せーかい。」
「何で知ってんですかィ!」
身長のこと気にしてるのに!
「中学3年の時点で155センチだったからなぁ。まぁそんときがピークで高2の今現在15…「うわわ!こんな道で言うことねーでしょう!」
「まぁ身長低くて損するこたぁねぇだろよ。」
「そーそー。」
「2人は身長おっきいからそんな事言えるんでさ!」
「175センチで悪かったな。」
またもやニヤリとするトシ。それが様になってるから余計に悔しい。
「え、お前175なの?はい俺の勝ち〜。175.1ですいませーん。」
「あ"あ"っ!?小数点入れたら俺だって175.5だ!!」
「あ、でも俺成長期だからなぁ〜、177ぐらいいっちゃってるかも。」
「それ考慮するなら18…「はいはい、もう分かりやしたから。」
二人の腕を掴み歩き出す。
さすがにこのままだと遅刻してしまう。
「早く行きやしょう!今日は部室使えるんですし!」
昨日までテスト期間だったから、俺早く歌いたくて仕方ないんでさァ!
そう言いながら二人を引っ張ってずんずん歩いていく。
「総悟はほんっとに音楽好きだねぇ。」
「全くだ。」
「音楽だけじゃなく2人が鳴らす音も好きですぜ。」
「「………。」」
「?どしたんでィ?」
「…朝から俺は幸せ者です!!」
くううっとギンが泣き真似をする。
よく分からなかったがいつものことなのでそのまま二人を学校まで引っ張ってった。
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