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―――ピンポーン。

「え゛っ、もうそんな時間ですかィ!?」

たった今弾いていた「ベース」を急いでケースに入れ、肩に担ぐ。

―――ピンポーン。おーい総悟〜。置いてくぞー。

「すいやせん!1分待ってくだせェ!」

玄関に向かって叫びながらテレビを消し、ガスの元栓を確認する。

「相変わらずよく通る声だな」と聞こえるが、それに構ってる暇はない。

「テレビよし、ガスよし、教科書よし、楽譜…よし!」

指差し確認を念入りに行い、靴を履く。

ドアのチェーンを外し、上下2つの鍵を回した。

「よしっ…いってきます!」

色恋の歌
 





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