「人間って死んだらひとりぼっちになっちゃうのかな。」
「いきなり重いテーマだな!」
ぽつりと呟いた言葉は鮮やかなツッコミで返される。彼は毎回私のどんな言葉にもちゃんと返事をしてくれる。
「あ、死ななくてもひとりぼっちか。なら問題ないね」
「悲しいこと言うな!」
「タダクニは、寂しくないの?」
「‥そりゃ、ひとりだったら寂しいけどよ‥今は‥えーと、隣に‥愛がいるだろ。」
「私が隣にいたら寂しくない?」
「え、ま、まあ‥その、お‥おう、」
「私は寂しいなあ」
「ええ!?」
「だって、いつかはタダクニもいなくなっちゃうんだもん。寂しいよね」
「‥‥お前はどこまで先のこと考えてんだよ」
俺は、いくつになっても愛の隣にいるから。だから、寂しくないだろ?‥なんて恥ずかしくて言えない俺はきっとどうしようもない馬鹿だ。だって、寂しげな顔をしてる彼女の顔すら晴らせないんだ。ほんの少しの勇気を出せば彼女の笑顔を見ることだって出来るはずなのに。