「私、恋人どころか好きな人すらいたことない気がする。」幼馴染は遠い目をしながら言った。確かに、コイツから浮ついた話なんて聞いたことがない。幼い頃に俺と結婚の話をした程度だろう。「‥‥‥だな、」「そんな私だから、恋愛観がわからないのよ。どう恋に落ちるのかも」「だから、ありがちな展開しか書けないのか」「そう」「恋愛物以外じゃ駄目なのか?」「小説家・愛のデビュー作は世紀末プラトニック恋愛物って決めてるの!」「めんどくせえな!」