妄想少年の助言

 
「‥どれどれ、」

俺は漫画を書く手を止めて幼馴染から受け取った原稿を読む。中身はありがちな恋愛小説。

「‥うん、ありがち。」

「うっ」

「言い回しがくどいな」

「うぐっ」

「それに二人の心理描写が甘い。読み手が共感出来なきゃ、恋愛物は難しいだろ。というかお前、彼氏いたことねェんだから恋愛物は難しくね?」

「‥さすがヒデノリね、問題はそこなのよ」

がっくりと肩を落として話す愛はポツリポツリと俺に原稿を見せてきた経緯を話し始めた。



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