「なにしてんの?」
腕にギプスをしている田中先輩に私は恋愛経験について調査していることと、それとは無縁そうなのにユウスケさんが見栄を張ることを説明した。
「へえ〜‥なら、私になんでも聞きなさい!恋愛上級者の私がなんでも答えてあげる!」
「おお!さすが先輩!」
「いや、あんた、兄にフラれてるでしょ」
「それなら大丈夫!これから付き合うから!」
「いやじゃああああ!」
私は先輩に話を聞こうと思ったけれど、先輩は逃げるユウスケさんをブロック片手に追い掛けて行ってしまったので収穫は得られなかった。
「あーあ‥結局、なんも話聞けなかったじゃねえか。とは言ってもあの二人に恋愛の話を聞くこと自体が間違ってたんだけどな」
「‥ああいう愛の形もあるのね!」
「ポジティブ!?」