ひとりぼっちの朝
ヨシタケと朝、待ち合わせをする。寝坊したヨシタケが朝ごはんとして昨日の残りのチーズフォンデュを食べながら急いで私の元へと来るのだ。私は呆れるけど、ヨシタケの「食う?」という言葉に吹き出して結局、私は遅刻を許してしまう。‥なーんてやり取りをしていた筈、だった。いや、こんなの私の理想に過ぎないけれど。
そう現実は甘くない。
私はひとりで学校への道を歩いていた。音楽プレイヤーを着けながら歩く私の耳に届くのは大好きな歌手の甘くて切ないラブソング。いつもは大好きだけれど、今はだいきらいだ。
「‥‥‥ヨシタケ‥、」
呟いた言葉は朝露と共に消えた。