しふくのじかん
私の彼の田中ヨシタケ。彼は普段はふざけていたりおバカなことをしているけれど、本当はとっても優しい人なの。
「ヨシタケ」
私がヨシタケを呼ぶといつもすぐに振り返ってくれる。そしてどうした?と聞いてくれる。
「呼んでみただけ。」
そういうとヨシタケは唇を尖らせるけれど、頬はほんのりと淡いピンクに染まっている。だから、本心では怒っていない。
「なあ、愛。」
「なあに?」
「‥呼んでみただけ、」
「あははっ、ヨシタケってば顔真っ赤」
「うううるせえな」
夕焼けに染まる帰り道には私とヨシタケの幸せそうな笑い声が響いていた。