ふたりぼっちの朝
朝の眩しい日差しが俺の柔らかな眠りを妨げる。眠いけれど、カレンダーにある二重丸を見て目を覚ました。
「いっけね‥!」
ガバッと起き上がり、急いで制服を着る。そして昨日の残りのビーフストロガノフを片手に家を飛び出した。
「くっそ、頼むから間に合ってくれよ‥!」
流し込むようにビーフストロガノフを食べて全速力で駆け抜ける。俺は携帯で時間を確認してさらに走る足を速めた。だが‥目的の姿は思いもよらぬ場所で発見した。
「‥愛‥?」
「‥‥‥ヨシタケ!おはよう!き、奇遇だね!」
「い、いや‥おま、なんでこんな朝っぱらから河原に‥」
俺の目的の人物‥愛は河原に座ってただ朝の日差しに反射してきらめく川を見ていた。
「‥なんとなくね、」
「ああ」
「ヨシタケに会いたくなっちゃって。」
「‥‥それが理由で?」
愛の目元にはくっきりと隈が出来ていた。俺は愛の傍に駆け寄る。
「でも、なんで河原なんだよ‥俺、愛の家に行こうとしてたんだぞ」
俺がそういうと愛はパアッと顔を明るくさせた。
「朝から私に会いに来てくれたの?」
「あ、ああ‥昨日、一緒に行けなかっただろ?だから今日は‥」
「ありがとうヨシタケ!だいすき!」
「え、え?な、う、うわああああ朝から抱き着くなああああ!」