ゾンビもとい敗北者のたまり場である保健室から出て、教室に向かう。もう既に一限が始まってるようで先程の喧騒は多少おさまっていた。


「少しは静かになったね」

「そうだな。」


先程よりかは静かになってはいるが、授業が始まったくらいでは我が校有数の問題児たちは揺るがない。朝よりかマシになっているものの‥ドゴーンとかバコーンスパーンなどの音は未だに聞こえる。


「1階にも聞こえるから上はまだうるさいんだろうね」

「心配するな、じきに黄猿が来る」

「いや、ごめん。そっちのほうが怖いわ」


黄猿先生は抜けているというか‥のんびりしてるようで赤犬先生並に罰がきつい。この前なんて授業中にタロットをしていた他のクラスの生徒が光の速度の蹴りで壁まで吹っ飛ばされたらしい。もはや警察沙汰だ。


「一限始まっちゃってるね」

「ああ、一限は古文だ」

「いやだなぁ‥私、古文苦手」


私が嫌そうな顔をしながら言うと私の隣を歩いてるキラーが止まった。私はキラーを見上げる


「キラー?」

「‥それなら、いっそ‥」


キラーは不思議そうにしている私を真っ直ぐに見て、キラーにしては意外なことを口にした。


「サボるか?一限、」


この言葉で、普段は寝ながらも毎日授業に参加しているこの学校の中では真面目に分類される私となにげに毎日授業に参加している(だが、それでも問題児)キラーの古文サボりが決定した瞬間だった。




仮面優等生のきみが





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