放課後、昼休みにミツオ君からもらったチケットでご機嫌な私はスキップをしながら帰り道を歩いていた。


「‥その歳でなにやってんだ、お前」

「き‥貴様は‥ヤンキーのモトハル!」

「端から見たらただの変人だぞ」

「なにかね、モトハル君も私にプレゼントをくれるというのかね?」

「は、はあ!?」

「では有り難く頂戴致そう。」

「だれだよ、そのキャラ」

「プレゼントプリーズ」

「厚かましいな!」


私はモトハルに向かって両手を差し出してプレゼントをもらう体制を取る。

モトハルは鞄からなにかを取り出して私の手に乗せた。


「‥誕生日、おめでとう‥」


つんけんと私にお祝いの言葉を言ってくれるモトハルは間違いなくツンデレだろう。気を良くしながら私は手に乗せられたモトハルのプレゼントを見る。


「料理本?」

「ああ‥愛、料理がしたいって言ってたから‥嫌だったか?」

「え、別に‥嫌じゃないけど‥」

「‥けど?」

「この本見るより、モトハルに教えてもらった方が確実に上手くなれるんじゃない?」

「え、な、なんで俺?」

「だってモトハル、料理上手じゃん」

「お‥お前がいいなら‥、」

「まあ、いいや。せっかくモトハルがくれたんだしね!有り難く使わせてもらうよ。」

「‥‥ああ‥そう‥、」

「大丈夫、作った料理はモトハルに食べさせてあげるから、よろしく!味見隊」

「っ!‥お、おう!任せろ!」


放課後、五番目のおめでとうは
ヤンキーで料理上手なモトハルからの
初心者向けの料理本だった。







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