波瀾な朝を終え、私はようやく学校に辿り着いた。学校に着くと、みんなが私の誕生日を祝ってくれた。それが嬉しくて笑っていると私の携帯のメール着信音が鳴る。


「誰だろ‥って、」


携帯に表示されたミツオ君の名前。
今日はやたら男子高校生に絡まれる。
そういえば星座占いを見忘れた
きっと今日の私は運が無いのだろう。

ため息をつきながらメール画面を開くと「昼休み渡したい物があるから校門まで来て」と簡潔に書かれたメールだった。

あ‥有り得ない‥!
ミツオ君が私にプレゼントを‥?

あんな空気が読めなくておバカなミツオ君が私にプレゼント‥!?

どんな恐ろしい物だろうかと想像していると本当に怖くなってきた。だが、まあ‥ミツオ君のことだ。平然と私に食べかけのフランクフルトとか寄越すのだろう



「お、ほんとに来てくれた。」

「呼び出しといてなによ」

「今日、誕生日なんだってな。」

「ミツオ君も知ってたんだ」

「という訳で、これ。」

「なに?」


ミツオ君は私に紙を差し出す。私はそれを受け取り、見た。


「‥‥映画のチケット?」

「ああ、誕生日おめでとう」

「ありがとう」


実はちょっぴり気になっていた感動ものの映画。


「だ、だからさ‥今度、お‥俺と‥」

「ありがとう!実はこの映画、見たかったんだよね!今度友達と見に行くわ!」

「友達とかよっ!!」

「だってミツオ君と感動もの見に行ったら、え?なんで泣いてんの?感動要素あった?とか聞くんだもん。誰だって嫌になるわ」


昼休み、四番目のおめでとうは
空気読めない男子高校生ミツオ君からの
映画のチケット(二枚)だった。







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