「ネックレスかよ‥にしても、なんて高そうな‥なんか少しは着けてやんないと申し訳ない感じの値段っぽいぞ‥」


妄想癖のあるメガネからもらった箱の中身は銀のネックレス。私はこんなオシャレな物よりもぶっちゃけ板チョコとかの方がホイホイ釣られるんだが‥まあ、好意を無下にする訳にもいくまい。私は大切に鞄の中に入れた。


「おい、愛。」

「おおう!あなたはいつぞやの‥」

「なにがいつぞや、だ。」

「おはよう、としゆきくん。今日はみんなと一緒じゃないのかね?」

「ああ、今日は俺一人だ」

「珍しい。いつもならヤナギンや羽原たちと騒いでるくせに」

「柳や羽原たち"と"じゃない。柳や羽原たち"が"騒いでるんだ。」

「ちゃんとそこは否定するんだ」

「愛、誕生日おめでとう」


そういってとしゆきくんは私の手の平に小さな飴を落とした。


「ひとつかよ、しけてんな」

「文句あるなら返せ」

「ありがとうございますいただきます」


登校中、二番目のおめでとうは
お前は食い物の方がいいだろうと言う
唐沢としゆきくんがくれた
私の好きな林檎味の飴玉ひとつでした。







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