俺は田畑ヒデノリ。真田北高に通うごく普通の男子高校生。

今日、俺はいつものように河原で本を読んでいた。すると聞き慣れた声が聞こえて、俺はその方向を向く。そこには見知った幼馴染がブツブツと独り言をぼやきながら歩いている

見兼ねた俺は幼馴染に声を掛けた

‥そこまではよかったのだ。だが途中で現れた俺の永遠の宿敵のせいで俺と宿敵の悪夢の鬼ごっこが始まり、幼馴染との会話は強制的に終了した‥

永遠のようにも感じられていた悪夢の鬼ごっこも終わり家に戻った俺のもとに、河原に置き忘れたであろう俺の鞄を持った幼馴染がやって来た

そして今、俺の前で熱くヒーローの良さを語る幼馴染‥愛を見る


「ていうか俺、お前がヒーローが好きだなんて知らなかったわ」

「私はヒデノリが美少女フィギュアがだいすきなんて知らなかったよ。」


「う、うるせえな!大体、なんでヒーローなんだよ!しかもヒーローが実際にいるとかどういうことだ!」


しかも、よりによってあの神社。俺には甘い思い出と苦い思い出‥両方あるのだ。

小学生の頃、俺を助けてくれた優しくて勇敢なあのヒーロー。

高校生になり、神社に行った俺の前に現れて俺の淡い夢を粉々にした忌ま忌ましい同級生。

もし、愛が会った人物が前者であれば是非とも会いたい。だが、後者だったら‥いや、考えるのは止そう‥。


「なんなんだあの神社は‥ヒーローの集会場でもあんのかよ」


俺がボソッと呟いた時に愛はまた熱く語り始める。俺は適当に聞き流していたが、不自然な点があった。


「パッヘルベルのカノンを吹いて颯爽と現れたヒーロー‥カッコよかったな、それで金髪が夕焼けに反射してキラキラ輝いてて‥ヒーローはああでなくちゃね!」


愛が言うヒーローの特徴を聞いていくと、俺の知る人物の姿が浮かんでいく。そして、俺の淡い夢をぶち壊した最悪な日も蘇る


「‥どうしたの?ヒデノリ、」

「い、いや‥なんでも」


そして愛は願望を呟いた。


「はあ‥また逢いたいなぁ‥」


俺はなにも言えずに口元を引き攣らせて笑った。脳内には口笛を吹きながら輪ゴムを飛ばす俺の親友の馬鹿面‥それを思い出して頭痛がした。




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