「ひぃいいい、」


涙を流しながら走る私。私は先程の極悪強面男の元から命からがら逃げ出し‥今尚、逃走中。逃げないと殺される。私はひたすら走っていた。あれはきっとヒーローの皮を被ったショッカーに違いない。そしてショッカーの胸に抱かれていたあの犬‥一見、ただの可愛らしい犬だが‥あれはショッカーが魔界から召喚した魔犬ケルベロスだろう。なんて恐ろしい。奴はショッカーでありながら職業(ジョブ)は召喚師だったのだ。

なんてことだ。最近のショッカーはハイスペックすぎる。仮面○イダーは奴らに勝てるのか。

もうすぐ家に着く!私はショッカーから逃れられたと安堵した時‥見事にバナナの皮を踏んで顔面からスライディングを決めた。


「ぶるああああ!!」


こ‥この屈辱感と腹立たしいこと窮まりない嫌がらせは先程のショッカーの仕業か!でなければ平成のこの時代にコントのようなことが起こりうる筈がない。おのれ、ショッカー。私は鼻血を吹き出しながらショッカーへの怒りに震えていた。

その時、怒りに震えていた私に誰かが手を差し出した。


「‥おい、大丈夫か?」

「あ‥あなたは‥」


私に手を差し出した人物‥それは


「遅れてすまなかった‥だが、よくぞここまで生き延びてくれた。後は俺に任せてくれ、キミを助けに来た。」

「ひ‥ヒーロー‥っ!」




「‥‥‥っていう展開を期待したんだけどキミか。としゆきくん」

「こんなバカに手を差し出した俺がバカだった。じゃあな。」





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