学校に遅刻した私は先生のお叱りを受け、席に着く。すると、ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべながら隣の席のヤナギンが話し掛けてきた。 「よっす、重役出勤か?」 「うるさいなあ‥本来なら間に合ってるはずだったんだよ!」 「ほうほう」 「でも、来る途中で男子高校生と激突しちゃってね〜‥」 「てんめえええ!」 「ぐはっ!い、いきなり正拳突き喰らわすな!」 「なに少女漫画みたいなラブコメ朝から繰り広げとんじゃ、このクソビッチイイイ!!」 「ふざけんな私はその男子高校生のせいで朝ご飯の食パンを落としたんだぞゴラァ!」 ガタッと乱暴に椅子から立ち上がる。そして教室で互いにファイティングポーズをとる私とヤナギンに先生の怒声と共にバケツを持って教室の外で立たされたのは言うまでもない‥ 放課後になって生島やアークデーモンさんと合流した。ちなみに何故、羽原だけアークデーモンさん呼ばわりなのかというと幼い頃にイジメられていたトラウマが今でも消えないからである。 「やっぱり今の日本に必要なのはヒーローだと思うワケ。異論は認めない。」 「今時、ヒーローなんて流行んないっての!何故なら今の日本は女子高生人気で成り立ってるから!ヒーローの時代は過ぎたのよ!」 「またそれかよ」 「女子高生でどうやって弱者を守るってのさ!ああん?」 「だったらヒーローでどうやって日本の経済効果を支えるくらいの人気出せるんだ?言ってみろ」 「ウルト○マンや仮○ライダーを忘れてもらっちゃ困るんだけど」 「今の子たちはただのヒーローじゃ満足できないの。わかる?今時の子はプリ○ュアなのよ、小娘」 「百歩譲って魔法少女は認める。だが、美少女戦士。お前はダメだ」 「全国の美少女戦士ファンに謝れこの非国民!」 殴り合いを始める私とヤナギン。それを楽しそうに見る生島と興味なさそうに料理本を見るアークデーモンさん。私はヤナギンにとどめを刺そうとした‥だが、ヤナギンは何処から取り出したのかレンチで私の後頭部を容赦なくぶっ叩く。私はその場に倒れ込んだ。 あれ?おかしいな‥デジャヴュ?私、最近‥地面に倒れ込むこと多いような気がする。犯人は100%の確率で友人だが、 「レンチ駄目、絶対!‥ぐふっ」 PREV NEXT |