春夏秋冬、想ふこと | ナノ

出逢いは02月16日金曜日PM16:40


 
 
まだまだ肌寒い2月の中旬、俺たち北高生徒会メンバーは会長の自宅へとお邪魔していた

「お邪魔しまーす。」

「あ、今日誰もいないぞ」

綺麗に整頓された玄関に男4人は狭く、その狭さに耐え兼ねた俺は我先にとリビングの中に入った

「あ、おかえり。早かったの‥ね?」

「‥‥‥‥‥」

リビングに入った俺を待ち受けていたのはソファーに座って悠々と寛ぎながらテレビを見ている女だった

「‥‥えーと、どちら様?」

「こっちの台詞ですが」


これが、俺と彼女の最初の出逢い。


「おい、唐沢!俺より先に行くとはどういうこと‥だ‥って!!?」

後からひょっこりと顔を出した会長の目線はソファーに座って寛いでいる女へと注がれた

「どうしたんすか?」

「ていうか、玄関に女物の靴置いてあるんですけど母親いるんじゃ‥」

「あら、おかえりなさい」

りんごちゃんのパンツを見た時さながらの驚愕した表情を浮かべてソファーに座る女を指差す会長

「ねっ‥ね‥、」

「うお!?」
「だ、誰ですかこの人!」

驚く俺たちを尻目に会長は叫んだ


「姉さんっ!!」


「久しぶりね、会いたかったわ」

姉さんと呼ばれた女は煎餅をかじりながら会長を見て微笑む。だが、俺たちは全くこの状況を理解できない

「ね‥姉さんって‥」

「会長、姉貴いたんすか?」

「初耳ですが、」

それぞれが疑問を口にするが、会長は
口をパクパクさせたまま喋らない

「いらっしゃい。弟のお友達?」

ソファーから立ち上がった女は
リビングの入口で呆然と立ち尽くす
俺たちの目の前にやって来た

「はじめまして、弟がいつもお世話になっています。姉の会長姉です」

そういって軽くお辞儀をした会長の姉‥会長姉さんは俺たちを見て微笑んだ。

その瞬間、俺の心臓が撃ち抜かれた
擬音をつけるなら‥ズキュン!だろう

もしかしなくても俺は、
この瞬間に‥恋という得体のしれない
厄介なものに落ちてしまった。


これが20XX年02月16日金曜日午後4時40分の出来事である。



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