「げ‥今日、席空いてねえ‥」発車する電車の中、たかひろはげんなりとしながら吊り革を掴む。今日に限って席は全て埋まっている。目の前に座っている女子高生が音楽を聞きながら参考書を広げていた。「‥‥‥‥‥‥」「‥‥‥」だが、女子高生はなにかに気付いたようにポケットから携帯を取り出して文字を打ちはじめる。たかひろは何気なく、そんな女子高生を眺めていた。「‥‥‥‥‥」女子高生を見ていたたかひろの手にギュッと携帯を押し付ける。動揺するたかひろを見ながら女子高生は口パクで「見て」と言う。「(え、な、なに?この女子高生‥まさか俺に気でもあるんじゃ‥)」ドキドキしながらたかひろは女子高生から携帯を受け取り、画面を見る。そこには‥『チャック開いてます。』俺の中で何かが崩れ落ちる音がした ←