としゆきは臆病だ。

私は昔からとしゆきが好きで、
としゆきも私が好きだ

そんなこと、としゆきはとっくに気付いている。でもわざと気付いていないフリをしてる

だから私達の関係は平行線を辿るまま

[親友以上恋人未満]
もう何年、この関係なのだろう


「やあ、としゆき!今、帰り?」

「なんだ‥愛か」

「ねえねえ、私‥スーパーで買い物したいから付き合って!」

「なんで俺が‥」

「どうせヒマでしょ?たまには私の役に立ちなさいよ荷物持ち!」

「仕方ねえな」


口ではそういっても、としゆきはなんだかんだ私の頼み事を聞いてくれる。私が荷物持ちを頼まなくてもとしゆきならさりげなく持ってくれる

としゆきはそういう奴なのだ



「材料は?」

「挽き肉と玉葱とデミグラスソース」

「今日はハンバーグか」

「おお、よくわかったね」

「いや分かるだろ」


スーパーに入り、材料を選ぶ。ここでなにも言わずに買い物カゴを持ってくれるのも、としゆきらしい。


「挽き肉あった。これでいいかな?」

「こっちのほうがよくないか?」

「そう?じゃあ、それにする‥って、なんかこういうやり取り、新婚さんみたいだね!」

「‥バカなこと言ってないで行くぞ」

「言ってみただけじゃん!」


ああ‥まただ、またはぐらかされた

としゆきは私が恋愛系の話を振ると必ずはぐらかす。告白だってそうだ。私が告白しようとすると私が話す前に違う話を振る

こんなんばかりだから、私達は前に進まないのだ

それとも‥としゆきは私と付き合いたくないのだろうか?


「今日は付き合ってくれてありがと!助かるわ〜、としゆきが荷物持ってくれてるおかげで」

「お前はそういう奴だよ」

「それにしても‥冷えてきたね。もう冬か‥早いな〜」

「ああ」

「そうだ!ハンバーグ余ったらおすそ分けしてあげるよ!」

「食っても大丈夫なんだろうな?」

「大丈夫だよ!!」

「冗談だ」

「タチ悪い冗談だな!」

「期待しないで待ってる」

「いや、そこはウソでも楽しみにしてるとか言おうよ」

「どうせお前食い尽くすだろ」

「残るよ!‥多分、」


もうすぐで家に着く。今日も進展はなかった。確かにとしゆきとのこんなやり取りは好きだ。

でも、私はやっぱり‥としゆきと手を繋いで帰ったり、二人だけで遊んでみたい

こう思う私はワガママなのだろうか


「‥‥‥としゆき、」

「‥‥そういえば前にお前が行きたいと言っていたあの店、潰れるらしいぞ」

「マジで!?‥じゃなくて!」

ちくしょう、やっぱりはぐらかすのが上手いなコイツ。

「としゆき!」

「なんだ」

こうなりゃ、ヤケだ。
こういうのはノリと勢いって誰かが言ってた!


「好きっ!」


私は一世一代の告白をした。もうこれではぐらかすなんて出来ないだろう。


「なにが?」

「おめーだよ!」

「‥‥‥」

「ごめん、でも、やっぱりちゃんと伝えたくてさ。白黒ハッキリさせたかったんだ。としゆきが付き合いたくないならそういって」

としゆきはしばらくなにも言わなかった。私はとしゆきが口を開くのを待つ


「‥‥‥‥‥俺は、」

「‥‥‥」

「お前が好きだ。付き合いたいとも思ってる」

「‥‥うん」

「でも、付き合えばいつか終わりが来るかもしれない。終わったら今日みたいなやり取りももう出来ない。俺はそれが嫌で、はぐらかしていた。すまない」

「‥‥私だって、悩んだ時もあるけどさ‥ある日、気が付いたんだよねー」

「なにをだ?」

「別れなきゃいいだけの話じゃん、って」

「‥‥お前は本当にバカだな」

「いいじゃん別に、私は終わらせる気ないし。としゆきは終わらせたいの?」

「そうは言っていない」

「なら、そんな未来のこと考えたって仕方なくね?未来は未来、今は今!今の私はとしゆきと付き合いたい!」

「‥‥お前らしいな。」

「でしょ?」

「‥‥‥‥なあ、愛。」

「なに?」

「‥お前が行きたがってた店」

「急展開!この期に及んでまだはぐらかす気かチクショー!」

「最後まで聞け。閉店前だからって安くなってるらしいぞ」

「だから!?」

「‥‥今度、2人で行かないか」

「!!う‥うん、行く‥」


どうせなら一歩進んでみませんか
もう自分の気持ちから逃げないよ





初唐沢夢です!

幼馴染みの恋って難しいですよね
この距離を壊したくないみたいな。書きたいこと書いたら訳分からん話になってしまったorz

萌えていただけたら嬉しいのですが‥すいません精進します

お題お借りしました^^

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