ピンポーン
夕方、学校から帰った俺は家で寛いでいた。すると家のチャイムが鳴る
「はい、どちら様‥」
「ハッピーバレンタイン!!」
「‥お前か、」
ドアを開けると見知った顔。近所に住んでいる愛だ。ニコニコ笑いながら俺に手を差し出している
「‥‥‥なんだ、この手は」
「チョコください」
「帰れ。」
「待って待って!閉めないで!」
「用ないなら帰れ」
「あるよ!あるから来たの!」
「はあ‥何なんだ?」
「とりあえず寒くて死にそうなので家に上げてください」
「用済んだら帰れよ」
「イエッサー!お邪魔しまーす!」
「部屋行ってろ、茶でいいな」
「えー、ジュースが‥」
「茶でいいな?」
「ハイ」
「‥んで、なにしに来たんだ」
「べ、別に逆チョコがほしいなんて、全然思ってないんだからね!」
「そうか。帰れ」
「わー!だからさっきから帰宅を催促しないでよ!地味に傷付くよ!もう!折角女子高生が来てあげたのに冷たいよ!」
「人の家に押しかけて来て、さらにチョコを催促する女子高生に優しくするほど俺はお人好しじゃない」
「世は逆チョコブームですよ」
「ふうん‥で?」
「逆チョコくれたっていいじゃない」
「いつも菓子やってるだろう」
「今日の菓子は意味が違います」
「は?」
「好きな子にチョコあげる日と聞いて」
「お前は本当に末期だな」
「じゃあチョコあげるからください」
「やらん」
「そこまで強く否定しなくても。ねえ、知ってる〜?女の子から男子にチョコを贈る文化って日本発祥なんだよ〜」
「そうだな」
「世界では男子が好きな女の子にプレゼントする日なんですよ」
「此処は日本だ」
「‥‥‥論破っ!!」
「お前がな」
「わかりました。スタイリッシュ土下座するんでチョコください」
「そこまでほしいか」
「だって、今日はバレンタイン!好きな人からチョコほしいって思うのは普通じゃん!」
「普通は逆だ」
「じゃあ、もうこの際、義理でもなんでもいいからー!チロルチョコでもカカオ豆でもいいからー!」
「‥やれやれ、」
唐沢は泣きながら自分に縋り付く愛の頭に綺麗に包装された一つの箱を置いた
「ほら、やるから離せ。鼻水付けるな」
「へっ?としゆき‥こ‥コレ、」
「ほしいんだろ?やる」
「‥やったー!としゆきからのチョコを無事ゲット出来たー!ありがとう!」
「まあ、どうせ来るだろうとは思っていたからな‥」
「あーあ。コレが本命だったらなー」
「‥‥‥おい、愛。」
「はい」
「さっき、なんて言った?」
「いつの話?」
「好きな子に〜の部分だ」
「‥好きな子にチョコあげる日と聞いて、ってとこ?」
「ああ」
「‥‥自惚れてOK?」
「待て。」
「お預けですか、焦らしプレイが得意なんですねお兄さん」
「なにか俺に渡すものがあるんじゃないのか?」
「‥‥‥‥等価交換だから仕方ないね」
愛はポケットから小さな袋を取り出し、唐沢に渡した
「好きな人からチョコほしいって思うのは普通なんだろう?」
「‥‥‥うっさいイケメン、」
ホットバレンタイン
(顔が熱いのはキミのせい)
(あとがき)
バレンタイン唐沢夢です!
一日遅れましたが唐沢くんです^^
唐沢くんはネタ舞い降りるのに時間かかりますが舞い降りたらとても書きやすいです
女子→男子の文化って
日本発祥でしたっけ?
間違ってたらさーせん^p^
(02/15)
修正(03/07)