私は部屋で寛ぎながら携帯をいじっていた。すると突然、誰かから電話が掛かってきた

「うお、び、びっくりした‥」

携帯の画面には隣人の男子高校生の名前が出ていた。

「もしもし‥ミツオ君?」

『愛!』

「うっさい!」

電話口から聞こえるミツオ君の声は大きく、そして嬉しそうなものだった

なにか良いことでもあったのだろうか

この前までは母親にエロ本が見付かったと嘆き崩れていたのに‥

そういえばミツオ君はずっとサッカーをやっていたな、もしかすると前、完成させた奥の手‥反則紛いの必殺技でレギュラーになれたのかもしれない。

『へへっ、悪い!』

「どうしたの?」

『聞いて驚くなっ!』

「レギュラーになれたの?」

『わかってても先に言うなよ!』

「あ、本当にレギュラーになれたんだ。すごいじゃん、あんな直立不動シュートとか反則技のバウンドシュートとかでレギュラーになれるんだね」

私はベランダに出て、電話口のミツオ君に話し掛ける

「ミツオ君、ベランダ出てきなよ。話聞いてあげるから、それに電話代もったいないし」

『お、サンキュー!』

そういってミツオ君は部屋から出てきた。私は電話を切り、向こう側にいるミツオ君に話し掛けた

「よかったね、ミツオ君」

「ああ!苦労したけど‥努力が実ってよかったよ」

「そうだね‥ミツオ君、ずっと前から必殺技の練習してたもんね」

昔、河原とか公園で必死にサッカーを練習していたミツオ君を思い出す。

「いや‥やってみるもんだよ、まさかほんとにレギュラーになれるなんて思ってなかったからな」

「ミツオ君の努力の結晶だよ」

「や、やめろよ。なんか照れくせえ」

「おめでとう!今度、試合見に行く。差し入れとかも持ってくから」

「あ、ありがとな!試合の日とかわかったら連絡するよ」

「うん、頑張ってね」

とても嬉しそうに笑うミツオ君になんだか私も嬉しくなってきた

(そういえば‥よく練習に付き合わされてたなあ)

夜遅くまで練習を頑張っていたミツオ君を知っているからこそ、私も嬉しいのかもしれない

「‥じゃあ、今度カラオケ行こうよ!ミツオ君のレギュラー昇格お祝いに。童謡ばっかでも怒らないから」

「おごってくれんの?」

「調子乗んな!」

「冗談だよ、楽しみにしてる」

「ポジションはどこ?」

「フォワード。フッカーってとこ」

「‥フッカー‥?」

サッカーにそんなポジションあった?
ま、まあ、私はサッカーに詳しいワケじゃないし、きっとそんな特殊なポジションがあるのだろう

「す‥凄いね!いきなりそんなポジションのレギュラーになれるなんて!」

「大変そうだけど、やれるとこまでやってみたいんだ」

そういったミツオ君の表情はとても真剣で、カッコよくて‥私の心拍数が急上昇した。

「‥うん、応援してる。」

「‥‥ありがとな。これも愛のおかげだ。いつも俺の練習に付き合ってくれてありがとう‥まあ、練習の成果はあんま出なかったけどさ‥でも、あの時間は無駄じゃなかった」

「なに言ってんのよ、練習の成果が出せたからレギュラー入り出来たんでしょ?自信持ちなよ」

「‥そうだな、」

「これからも私に出来ることがあるなら言って?練習だって付き合うし、愚痴でもなんでも聞くよ」

「いつも悪いな‥愛には迷惑ばっか掛けてる」

「いまさらなに言ってんの、こうなったらとことん付き合ってあげるわよ」

「ははっ、頼もしいな」

夜風は少し冷たいけれど、胸はポカポカしてあたたかい

努力家で、頑張り屋さんのミツオ君だからこそ‥私は今までミツオ君の練習を付き合っていた。これからも練習なり愚痴なり付き合って、ミツオ君を支えてあげたい。

「‥‥なあ、愛。」

「‥ん、なに?」

ミツオ君は夜空を見上げながら、静かな口調で話す。私はミツオ君をジッと見詰めた

「‥‥‥俺さ、辛くてもやれるだけやってみようと思うんだ‥」

「‥‥‥‥」


「゙ラグビー゙を。」


ミツオ君は私を見て笑い、私も微笑んだ。そして、ベランダにある鉢植えを掴み‥

「‥‥‥‥ラグビーかよ!!!」

笑顔のミツオ君へと投げた。


とびきりのおめでとうをあなたに
道理で話噛み合わないと思ったよ

「ぐほぉ!!」
「サッカーじゃねェのかよ!」



7777HITを踏んでくださった瀬上様に愛を込めて捧げます!

ミツオ君がラグビー部のレギュラーになったことをヒロインは知らなくてお互いの話が噛み合わないみたいな話を書きたかったんです

こんなミツオ君ですいませんorz
返品は受け付けてますので!

管理人・蒼より、瀬上様へ
感謝と愛を込めて!!

(3/3)




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