人数が足りないの!と先輩誘われ、仕方なく着いて来た合コン。
目の前には数人の男子がいるが 生憎、私は彼らに興味などはない
(‥タダクニさん、なにしてるかな)
私の脳内にはただ一人だけ、 男子校に通う年上の男性 いつもツッコミばかりしていて 主人公なのに不憫だし 怖い話になるとお茶目なウソをつく素敵な私の王子様!
「愛ちゃんはさ〜‥」
「はあ‥そうですか」
この人、中央高校の人だっけ?楽しげに話してるが正直なところ、もう帰りたい。
「妹がド近眼でさー、目付きめちゃくちゃ悪いなんだよね」
「‥妹さんも中央高校なんですか?」
「そうそう!愛ちゃんと同い年なんだよ!」
「そうなんですか」
へえ、この人も兄なのか‥と一連の話を聞いていた感想がこれだ。そして同じ兄でもタダクニさんの方がいいな、とボンヤリと思った。タダクニさんは空気読めるし
どうすればいいのだろう?
この人をタダクニさんだと思えば私のロマンチック乙女ゲージは満タンになるのだろうか?
(この人はタダクニさん、この人はタダクニさん、この人は‥‥うん、ごめんやっぱムリ。)
とりあえず私はもうこの場にいることが耐えられなくてめーちゃんに助けを求めた
(合コン抜け出したいから電話してきてくれない?‥と、よし!これで後は私の演技力の問題ね!)
電話が来て、あ!用事出来ちゃったんで帰りまーす!的な感じでさりげなく帰ろう
私がこっそりパーフェクト帰宅プランを建てていると、さっきの人がまた話し掛けてきた
「ねえねえ、メアド教えてよ」
「あー、すいません。私の携帯‥赤外線着いてないんですよ、機種がボーダ◯ォンなんで」
「古くない!?」
「物持ちいいんです」
「一世代前の機種だよねソレ!」
私は携帯を持ちながらめーちゃんからの電話を待っている‥が、来ない。
(な、なんで?もう部活はとっくに終わってる時間だよね?)
中々来ない電話に不安を抱きながらとりあえず話をそらし続ける
「じゃあ直接アドレス打つから携帯貸してよ」
「やだー、プライバシー侵害で訴えますよこの変態眼鏡ー」
「いいじゃん、すぐ返すって!」
いい加減、この眼鏡を粉砕してやろうかと私は右手に握りこぶしを作った。そして叩き割ろうとした時‥
「いい加減にしやがれこの変態‥、」
「悪いな、キヨタカ。こいつ、俺の連れなんだ」
私の好きな声が響いた。そして私に伸びていた眼鏡野郎の手が誰かに掴まれ、止まる
「タダクニ‥?」
「た‥タダクニさん!?」
「連れ帰させてもらうぜ、じゃあな」
「ちょ、た、タダクニさん!」
「お‥おいっ!タダクニ?」
「行くぞ、愛」
タダクニさんが私の荷物を持ち、そして私の手を引いて歩きだす。私はタダクニさんに手を引かれたまま、店を出た
「‥‥‥‥‥‥」
「タダクニさん!ま、待って、速いし痛いです!」
「あ‥わ、悪い、」
パッと手が離された。それに少しだけ残念だと思ったが、今はどうしてタダクニさんが来たのかを知らなければ
「どうして合コンのこと‥」
「‥‥妹から聞いたんだよ、お前が合コンに行ってるって」
「めーちゃんから‥?」
なるほど、だから電話が来なかったのか‥と私は変に納得した
「‥‥なんで合コンとか行った訳?」
「え?先輩に誘われて仕方なく‥私なんてほぼ人数合わせですし‥帰りたくてめーちゃんに連絡したんです、」
「‥出会いとか、そういう目的じゃないよな?」
「も、もちろん!私にはタダクニさんという未来の旦那様がいる訳でして、というか合コンに参加しても私は四六時中タダクニさんのことしか考えてませんでしたよ、なので責任取って私と結婚してください!」
「気がはえーし、出来ねえよ。‥今度からは合コンとか気軽に行くなよな。今回は俺のダチだったからよかったけど、タチ悪いのだっているんだぞ」
「‥‥これはフラグですか」
「ちげーよ、一々フラグにすんな」
「タダクニさん‥なんで迎えに来てくれたんですか?こういうのって普通、彼氏ですよね‥迎えに来るの。」
「‥嫌だったのかよ、」
「いえ、むしろ歓迎ですけどああいうことしたらタダクニさん、私の彼氏みたく思われますよ。タダクニさん好きな私からすればこういう展開は非常に美味しいんですが、いいんですか」
「‥‥構わねえよ」
「はい?」
「‥う、うるせえな、俺だってよくわかんねえよ!でも、妹から愛が合コン行ったとか聞いてめちゃくちゃ腹立つし、キヨタカと話す愛見てイライラするし、もう訳わかんねえ!」
タダクニさんは頭を掻きむしりながら地面にしゃがみ込んだ
「た‥タダクニさん?なんですかそれ。そんな風に言うと私の脳は素敵解釈しますよ!今の私はロマンチック乙女ゲージ満タンなんで意地でも恋愛系に持っていきますよ!」
「あー!もう!だから俺は!」
「は、はい!」
「多分、俺は‥!お前のことが好きになっちまったんだよ!責任取れよ!」
「っ!!」
勢い良く立ち上がったタダクニさんの顔は今まで見たことないくらい真っ赤で、つられて私も赤くなる
「だから、もう合コン行くなよ!いいな!?」
「〜〜っ‥!‥はい!!大好きですタダクニさん結婚してええ!」
私のロマンチック乙女ゲージがゲージを振り切ったため、外だというのにも関わらずタダクニさんに抱き着いた。タダクニさんは恥ずかしそうにしていたけれど、私の背中に手を回してくれた
「うわああ!タダクニさんが告白してくれたよ、嬉しい〜!!不束者ですが末永くよろしくお願いしますっ」
「プロポーズじゃねぇよ!!」
ロマンチック乙女ゲージ崩壊! でも幸せは満タンです
「んで、この前の合コンって?」 「なにがあったんだよ?」
「そうそう。こないだ合コンやって酷いめに遭ったんだよ。ある子に話し掛けたら急にタダクニが来てその子連れて帰っちまってさー、彼氏持ちなら最初にそう言っとけって感じだよなー」
「ぬァにィィイイイ!!?」 「タダクニあいつ彼女いたのかゴラァアアア!!」
6000HITを踏んでくださった 瀬上様に捧げます!^^ 返品受付中ですので遠慮なくどうぞ!
以前書いたタダクニ夢の夢主と設定が同じです
そして私はロマンチック乙女ゲージという言葉が大好きなようです←
色々と反省してます‥ そしてキヨタカごめんね‥orz 最後は男子高校生と旧友の◯ック的なとこの場面と解釈していただければ嬉しいです
リクエストありがとうございました!
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