「キラーさん!お願いがあるんですけどいいですか?」
騒がしい食堂の片隅でキラーに話し掛けるウミ。キラーはパスタを食べる手を止めてウミを見た。
「おれで出来ることならいいぞ」
「いえ、キラーさんじゃないと出来ないんです!」
「そうか‥頼みとはなんだ?」
「髪の毛ください!」
「‥‥‥髪?」
「はい!キラーさんの金糸のような美しい髪の毛を是非、このわたくしに!」
「‥構わんが‥なにに使うんだ?」
「悪用はしません!」
「まあ、髪を悪用なんて聞いたことないから構わないが‥」
「ありがとうございます!」
キラーは自分の髪を一本持つとプツンと抜いた。そしてその髪の毛をウミに渡す
「これでいいか?」
「はい!助かります!」
「お前の役に立てたならよかった」
「これで、私の長年の願いがようやく叶いますっ」
とても嬉しそうにウミは自分のポケットからある物を取り出した。ウミのポケットから出て来た物を見て、一部始終を見ていたキッドは固まった
「よかった!これでようやくあのおまじないが出来る!」
「藁人形じゃねーかっ!!」
「そうですよ?」
「悪用する気満々だろお前!キラーを呪い殺す気か!」
「失敬な、私はこれでキラーさんのハートをゲットするんです!」
「原因不明の心臓発作起こして死ぬに決まってんだろ!」
「私はキラーさんのハートを射止めたいだけです!」
「お前はキラーの心臓を止めてェのかバカ!」
「これは恋を成就させるおまじないなんですよ!そんなに自分の右腕を取られたくないんですか!いい加減、キラーさん離れしなさい!」
「ちげェよ!知ってるか、バカ女。まじないってのは漢字で書くど呪い゙って書くんだぞ!」
「頭に勉強とかを諭されるなんて思ってもみませんでした!」
「殴るぞテメェ!」
「ふーんだ!頭にはおまじないに頼りたくなる恥ずかしがり屋の乙女心なんて永遠に理解出来ないでしょうね!」
「目を覚ませウミ!お前にそんな女子的なモノは存在しない!」
「余計なお世話だよチューリップ!」
「誰がチューリップだ!」
「私は深夜二時に白装束でこれに釘を打つんです!」
「完璧呪い殺す気じゃねーか!」
「これで私は絶対にキラーさんのハートをゲットしてみせるんだ!」
「おい待て!」
ウミはキラーの髪の毛と藁人形を持って食堂から走り去った
「キラーからもなんか言えよ!あのままじゃ、あのバカ女‥確実に丑の刻参りするぞ!」
「可愛らしいじゃないか、キッド。あいつ‥おれを射止めようとあんなに必死になって、全く‥可愛い奴だ」
「ダメだコイツ!事の重大さを理解してねェ!クソ!おれの船にはバカしかいねェのか!」
「ウミ‥そんなことをせずともおれはとっくにお前を愛しているというのに‥」
「お前らの仲間だろ何とかしろよ!」
「その前に頭の右腕ですよ、頭がなんとかしてください」
あなたと私と藁人形
(これでキラーさんもイチコロね!)
その後、キラーは数日間、謎の心臓の痛みに悩まされた―‥
‐‐‐‐‐‐
こうか は ばつぐん だ!
(!)丑の刻参りとか危険です
絶対真似しないでください
これは恋愛成就とかのおまじないじゃないです。
またもやキラーさんに犠牲になっていただきました。ローさんでもいいかなーと迷ったんですがキラーさんがいけにえになりましたごめんなさい
(02/12)