プラトニックラバー





私は最近、あることで悩んでいる。

「キラー」

「どうした?ウミ」

「今度、島に上陸したら一緒に買い物に行こうよ!新しい洋服とか見たいんだ」

「いいぞ」

私を悩ますタネ‥それは私が慕って止まないマスクを被った億越えルーキーの一人・キラーなのだ

キラーと私は恋人関係である
私はキラーが好きだし、キラーも私を好いていてくれてると思う。憧れのキラーと付き合えて私の人生は毎日ハッピーだ


「それのなにが問題なんだよ」

「話はこれからですよ、船長!」

嫌そうに話を聞く船長に私は自分の悩みを打ち明けた

「私とキラーって、付き合ってもう5ヶ月じゃないですか」

「そんな経ってんのか」

「それでですね」

「んだよ」

「キラーが私に一切、手を出してこないんです!」

「‥‥いや、知らねえよ」

「私は真剣に悩んでるんです!だって付き合ってもうすぐ半年なのに手だって繋いだことないんですよ!キスやハグも!増してやそれ以上だって!キラーは草食系なんですか?草食系男子キラーマジフェアリー!」

「‥‥‥言えばいいじゃねェか」

「言えたら苦労してません!」

「んじゃ、お前に色気がねェからだな」

「ぐふ!い‥いきなり急所攻撃とはやりますね‥!船長‥クリティカルヒット‥効果はばつぐんだ‥!」

「もう寝ていいか?」

「まだ話は終わってません!私はキラーが好きなんです!」

「知ってるっつーの‥」

「だから、私はキラーと恋人らしいことがしたいんですよ!これって欲張りですか?普通ですよね!ほっぺにチューもないんですよ!プラトニック!絶滅危惧種の恋愛を今、私達が繰り広げているんですよ!来春からテレビで放送されてもおかしくないくらいの世紀末純愛ストーリーです!」

「あー‥わかったわかった、わかったから少し落ち着け」

「‥‥‥‥うー‥私のロマンチック乙女ゲージはいつだって満タンなのに」

「お前が乙女とか言うなキモいから」

「失礼ですね、私は身も心も清らかな乙女です。花も恥じらう乙女です」

そういえば爆笑するチューリップ頭の船長。ちくしょう、相談する人選をミスったな私

「ま、本人に言ってみろよ。案外、スパッと解決すんじゃねェか?」

「船長は髪型だけじゃなく頭までチューリップなんですね!ある意味尊敬します!」

そういえば船長の地雷を踏んだようで私は脱兎の如く、その場から逃げ去った。しばらく船長に会うのはやめておこう


「助けて、キラー!」

「どうした?こんな夜中に‥またキッドを怒らせたのか?」

「さすがキラー!大正解!」

「やれやれ‥」

「‥‥‥‥‥‥‥」

私はキラーをじっと見た。脳内には先程の船長の言葉が蘇る


『ま、本人に言ってみろよ。案外、スパッと解決すんじゃねェか?』


「‥‥‥キラーに質問です!」

「急にどうした‥」

「キラーは草食系男子なんですか!?それとも俗世の煩悩を退き、悟りをひらいてるんですか?」

「‥‥なんのことだ?」

「キラーがプラトニックラバーを重んじるのはわかりました!でも私はキラーと違い、俗世の煩悩に屈した俗物なのでやっぱりイチャイチャしたいです!」

「プラトニック‥?」

「それとも私がいけないんですか?色気足りないですか?」

「待て、なんの話だ?」

「だからなんでキラーが私に手を出さないのか聞いてるの!こんなんじゃ本当に来春からドラマ始まっちゃうよ!青春ドラマでだってもう少しマセたことしてるよ!」

「‥‥‥‥つまり、ウミはおれが手を出さないことに疑問を抱いているんだな?」

「はい!キラーは私とキスしたいとか思わないの?」

「‥‥‥‥‥‥‥」

キラーは少し考えたように黙り込んでしまった。私はただ、キラーをじっと見つめている

「そうだな‥おれは、抱きしめたり‥キスなどしなくても、」

「‥‥‥」

「ウミがおれと同じ気持ちで隣にいてくれれば‥それだけで幸せなんだ。」

キラーは優しい口調で自分の想いをウミに告げた。

「おれはウミが好きだ。ウミの隣にいたい。そしておれと同じようにウミもおれを思っていてくれたら嬉しい」

「‥‥〜〜〜っ!!」

キラーの柔らかい雰囲気や、優しい声にウミの顔は真っ赤になっている。こんなセリフが返ってくるとは思わなかったのだろう

「だが、やはりウミはおれとキスなどをしたいと思うか?」


(キラーは私に魅力を感じてないワケじゃなかった。ただ、私と傍にいることを何よりも大切に思ってくれてたんだ‥)

そう考えたら、先程までの自分の考えなんて吹っ飛んで‥


「‥‥‥‥‥ううん!私も、キラーとこうして一緒にいれるだけで幸せだよ!」

「そうか」

「ごめんね、酷いこと言って」

「おれこそウミを不安にさせたみたいだな。すまなかった」

「でも、今度の島でデートする時は手を繋ぎたいな‥ダメ?」

「いいや‥断る筈ないだろう?‥‥そうだな。おれ達はこうしてゆっくり進んでいこう」

「私達マジプラトニックだね!」



プラトニックラバー
(純愛もキラーとならいい物かも!)




‐‐‐‐‐‐
純愛キラーさんです誰でしょうこれ
もはや原形留めてませんね
変形しましたねごめんなさい

でもこんな純情ストーリーが書きたくなったんです

キラーさんにはその犠牲になっていただきましたすいません切り刻まれてきます

(02/10)








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