ドライブデート日和


(!)現パロ


「ちょっと‥スピード大丈夫?なんか出しすぎてない?」

「小せェこと気にすんな。」

「気にするわ!落としなさい!」


明らかにスピード違反をしているであろうローをたしなめる。ローは嫌そうな顔をしたけれど大人しくスピードを落とした。

私たちは今、車の中にいる。久々に休日が重なり、こうしてローとドライブをして楽しんでいた。


「久しぶりだね、こうやって二人でどこか遠いとこに行くの」

「ああ‥三ヶ月ぶりだな。」

「え、そんな会ってなかったっけ?」

「‥ぼけ始めたか」

「違うよ!」

「なんならおれが診てやろうか‥ベッドの中で。」

「いるかぁ!昼間からなに言ってんのよド変態!自重しろ!」

「おれに命令するな。」


久しぶりのこんなやり取りが楽しくて私は笑いながらローを見た。珍しくローも機嫌が良いようで、口元には笑みが浮かんでいる。


「どこに向かってるの?」

「さァな」

「あ、悪い顔してる。ま、まさか‥ホテル!?きゃー、ローのエッチー」

「なんだ?ホテルでよかったのか?待ってろ、今すぐ近場の‥」

「わーわー!いいって!カーナビで探さなくていいからっ!」

「遠慮するな」

「するわよバカ!」

「‥まあ、いい。夜までの辛抱だ。それまでは襲わないでいてやる」

「なにそれこわい」


私たちが車の中で談笑していると、ローが突然、急ブレーキを掛けた。


「!」

「わっ!?‥な、なに?」


横から凄いスピードで車が横入りをして来た。その車はそのままのスピードで突っ走って行く。


「危なっ‥明らかスピード違反」

「‥‥‥‥‥‥」

「‥ロー?」


なにも話さないローを不思議に思って私はローを見る。そして息を飲んだ。や、やばい‥今、ローはとても怒ってる。溢れ出る怒りオーラがそれを物語っていた


「いい度胸じゃねェか‥よっぽど消されたいらしいな‥」

「え、えーと‥ロー!あ‥あれかもしれないよ?ほら、今から結婚式で遅刻しそうだから飛ばしてるんだよ、きっと!お嫁さんが教会で待ってるのかも?」

「‥‥‥‥‥」

「それで慌てて旦那さんが教会に向かってる、みたいな?」


私はなんとかローを宥める。そうでもしないとあの車を消そうとアクセルを思い切り踏むだろう。ローはしばらくなにも言わなかったけれど、やがて‥


「‥案外、浮気がバレて女に謝りに行ってんじゃねェのか?」


鼻で笑いながら、ローは言った。


「えー、絶対結婚式だよ。」

「いいや‥浮気だな」


私はホッとしながら会話を続ける。先程の冷ややかなローは怖かったけれど、今のローは怒りも落ち着いたようで、普通に会話をしてくれる。


「じゃあ、間を取って‥待ち合わせ時間に遅れた彼氏が慌てて向かってて‥、彼女はもちろん彼氏を待ってるんだけど、彼氏が着いた時にちょうど浮気相手の子が通り掛かってー‥それで、そこからはお決まりの展開!誰よこの女!みたいな三角関係は?楽しそうだね!」

「ハッ、昼ドラの見すぎだろ。」


いつしか車の中の雰囲気は最初の和やかな雰囲気に戻っていた。そのままローとどうしてあの車はあんなに急いでたのか、という話で盛り上がり、私たちはその日、心行くまでドライブを楽しんだ。



ドライブデート日和
(短気は損気って言うでしょ?)



‐‐‐‐‐‐

キレる運転手を宥めるって
シチュが書きたかったんです。

(4/28)






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