こんにちは、恋心
(!)学パロ
「でよー、この前ドレッドが‥」
「‥あまり周囲を巻き込んでやるな」
キラーとキッドは移動教室までの道のりを歩いている。すると突然、キラーが後ろを振り返った
「‥‥‥すまん、キッド。先に行っててくれ」
不思議そうな顔でキラーを見るキッド。だがキラーはもう既に歩き出していて後ろ姿しか見えない。
「なんだ?あいつ‥サボりか?」
「うっ‥お、おも‥、」
階段を昇りながらプリントの山を持つ少女。少女の足元は覚束なく、キラーの足は少女に一直線に向かっていた。
「‥おっとと、‥危ない危ない。危うく落とすとこだった、」
「ウミ」
「ぎゃ!?」
キラーが声を掛けた瞬間、少女の体が大きく傾いた―――‥
「うわわっ!避け‥っ」
だが、少女の体は倒れなかった
キラーが倒れる直前で支えたからだ
「すまん、急に声を掛けて」
「え?あっ‥い、いえ、」
「怪我はないか?」
「は、はい。こちらこそ助けていただいちゃって‥すいませんでした」
「気にするな。元はおれが悪い。詫びにプリントを持とう」
「ええ!?いいいや、いいですよ!クラス違うじゃないですか」
「その量を一人で運ぶのは危険だと思うが」
「で、でも‥その‥えーと‥」
「‥なら、半分ずつ持たないか?それならいいだろう?」
(な、なにがいいのかわからないけど確かにこのプリントは一人で持つには重いし‥てゆーか、さっき私の名前呼んでたよね?私のこと知ってたんだ‥)
「お手数掛けてすいません」
「いいや、教室でいいのか?」
「はい」
キラーと少女はプリントを半分ずつ持ち、歩き出した。
(うわわっ‥ど、どうしよう‥この人、確かあの問題児が集まるE組のキラーさんだよね?ノリで頼んじゃったけど止めとけばよかった‥怖いよ〜‥)
「‥‥‥‥お前は、」
「!‥は、はい」
少女は肩を跳ねさせ、キラーを見る。キラーは真っ直ぐ前を見たまま、静かに問い掛けた。
「彼氏とか、いるのか?」
「え?」
どんなことを言われるのだろうと内心冷や冷やしていた少女は予想外の質問に目を丸くする。
「い、言いたくないなら別にいい‥悪い、忘れてくれ」
そういってキラーは少女とは反対側に顔を背けた。
(あ、耳‥赤い)
少女はキラーの髪から覗く耳が赤く染まっていることに気付いた。
(‥‥この人、私が思ってるより怖くないのかも‥いつも隣にいるチューリップみたいな人は怖いけど。
この人さっきも助けてくれたし‥今もこうしてわざわざプリントを一緒に運んでくれてる。本当は優しい人なのかも‥)
「か、彼氏はいません。」
「そ‥そうか、」
「‥キラーさんはいるんですか?」
「い、いや‥おれもだ」
「そ‥そうなんですか、」
「あ‥ああ」
なんとなく気まずい空気が流れ、二人はなにも言わずにただ教室へと向かっていた。だが、意を決した少女が口を開けた
「‥‥さっきまで、」
少女はポツリと声を漏らした。
キラーは少女の言葉を待つ
「?」
「あなたを誤解してました。」
「まあ‥そうだろうな」
「ごめんなさい‥あ、でも、今はもう違うんです」
怖い人だと思ってました。
でも、キラーさんはこうしてわざわざ一緒にプリントを運んでくれてる。
本当は優しい人なんですね
勘違いしてて本当にごめんなさい
少女はキラーを真っ直ぐに見て、そう言った
「いや‥」
「あ、教室着きましたね」
「‥‥ああ、」
キラーと少女は教室に着いた。
「うわ、もうこんな時間?危なかった〜‥私一人じゃ、完全に授業開始に間に合いませんでした。本当にありがとうございました」
「ああ‥じゃ、おれは移動教室だから」
「は、はい!移動教室なのに付き合わせてすいませんでした」
「あ‥それと、」
キラーは少女を見た。
「おれはなにも思ってない奴にここまでしない」
そういうとキラーは歩き出した
「え?ちょ‥今の、」
少女がキラーに声を掛けようとした時、授業開始のチャイムが鳴った
こんにちは、恋心
(い、今のって‥!?)
少女はしばらくの間、顔を真っ赤にして廊下に立ち尽くしていた
‐‐‐‐‐‐
初キラーさんですっ
サイト開設して間もないですが
よろしければこれからも
お付き合いください!^^
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