運命の赤いいとでんわ




「私も小電々虫ほしい!」


と、甲板にウミの声が響いた。


「お前にはまだ早ェ」


バッサリと容赦なくキッドがウミの要求を斬り捨てた。だが、ウミは引き下がらない


「早くないよ!大丈夫!」

「ダメだ」

「なんで!」

「ろくでもねェことに使うだろ」

「そんなことしないよ!」

「絶対にダメだ、ガキには早ェよ。あれは危険物に指定されてる」

「小電々虫が!?」


嘘付かないでよ頭!とウミはキッドに対して意見を言うが、相変わらずキッドはウミに小電々虫を持たせるつもりはないようで‥


「ほら、コレでも使ってろ」

「‥コレ‥かたつむり。」

「似たようなモンだろ」

「違うよ!」

「話し掛けてみろよ、返事返ってくるかもしれねェぞ。」

「ちくしょう、頭のバカー!もしもーしっ!誰か!応答せよ!」


ウミは半泣きでかたつむりに話し掛ける。それを見兼ねたキラーがある物を持ってウミの元に行った


「ウミ、ほら‥」

「もしもー‥なにコレ‥?」

「糸電話だ」


キラーはウミに糸電話を渡した


「‥いとでんわ?」

「この紙コップを耳に当ててみろ」


そういわれたウミは紙コップを耳に当てた。そしてキラーは自分の手元にあるもう一つの紙コップに話し掛けた


「ウミ、聞こえるか?」

「!?」

「話す時はこうして口に当てて、聞く時は耳に当てるんだ。」

「キラーの声、聞こえる‥凄い!」

「これがあれば‥いつでも話せる。小電々虫もいらないだろう?」

「うんうん!凄いよ!」

「ウミ、耳に当てたまま話しても通話は成立しないぞ。」

「話す時は口‥だっけ?」

「ああ」


ウミは期待に胸を膨らませながらそっと口に紙コップを当てた


「き、キラー!聞こえるー!?」

「ああ、聞こえてるぞ。そんな大声を出さなくても聞こえてるから安心しろ」

「!‥凄いっ!いとでんわ凄い!」


凄い凄い、とウミは目を輝かせてキラーを見る。


「楽しいか?」

「うん!これがあればいつでも何処でもキラーと通話できるね!」

「そうだな、」

「キラー!」

「なんだ?ウミ」

「だいすき!ありがとう!」

「!‥ああ、おれもだ。」

「だから、これからもこのいとでんわでいっぱい話しようね!」



運命の赤いいとでんわ
(恋心、応答せよ)



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久しぶりのキラー夢です
恋人一歩手前な関係なようです

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