デートしてくれませんか
(!)学パロ
「‥キッド、やはりやめよう」
「は?いまさらなに言ってんだよ」
「し、しかしだな‥」
キッドは尻込みするキラーの背中を叩いた。
「そんなんじゃ、いつまで経ってもあいつに話し掛けらんねーぞ。そのまま卒業して疎遠になってもいいのか?」
「!‥それは‥」
「嫌だろ?なら、デートに誘うだけなんだからちゃちゃっと話し掛けろよ」
キラーの視線の先にいるのはクラスでもある意味有名な女生徒のウミだ。キラーはウミに密かに好意を寄せていた。だが、奥手なキラーは話し掛けることすら出来ずにいた。キッドはずっとそんなキラーの相談に乗っていた
「わ、わかった。すまん、キッド」
「おう、頑張れよ」
「‥な‥なあ、ウミ、」
「!!!」
「少し話したいことがあるんだが‥」
「ひっ、や、あ‥あの‥何か‥」
キラーに話し掛けられたウミは大きく肩を跳ねさせた。そして青い顔でキラーを見る
「ここじゃ、なんだし‥よかったら屋上に行かないか?」
「えぇえ‥わ‥私‥ですか?」
そう、ウミはクラスどころか学校でも1、2を争うビビりなのだ。ただでさえビビりなウミが学校でも問題児グループに分類されてるキラーに話し掛けられるなんて想像もしていなかったのだろう
顔から血の気は引き、今にも卒倒しそうだ。
「わ、悪いな‥昼休みなのにわざわざ屋上まで付き合ってもらって‥」
「だだ大丈夫です‥」
ウミは口元を引き攣らせながらも精一杯微笑んだ。
(な、なんでこんな怖い人に話し掛けられた挙句に屋上に呼び出しされたの私?お金なんて持ってないよ‥はっ!も、もしかして私‥気に食わないとかそんなんで殺されるのかも‥!?)
ウミがそんなネガティブ思考に陥ってるとは露知らず、キラーはどうやってウミをデートに誘おうかと試行錯誤していた
「‥‥なにやってんだ、キラーの奴」
やはり心配になって様子を見に来たキッドは扉に隠れて、2人を観察していた。そこにキッド達同様に問題児と名高いトラファルガーが顔を出した
「よお、ユースタス屋」
「トラファルガー‥」
「なにコソコソしてやがる」
「るせえ、あんまでかい声出すな」
「おれに命令するな、消されたいのか‥あ?なんだ、キラー屋とあのビビり女じゃねェか」
「知ってんのか、クラス違うのに」
「この前、軽くぶつかっただけですげェ謝られた挙句に解剖しないでくださいって言われたからな」
「‥おれも手が触れただけで号泣しながら吹き飛ばさないでくださいお願いしますって言われたな‥、」
「んで、キラー屋はあのビビり女に惚れてんのか。ユースタス屋はキラー屋のことが心配でわざわざ盗み見‥ハッ、殊勝なこった」
「るせえ!とっとと失せろ!」
「次、おれに命令したら消すぞ」
「その‥なんだ、ウミさえ、よかったらなんだが‥」
「‥‥‥っ、‥」
キラーは照れながら話しているがウミの顔は顔面蒼白だ。そしてどうやって命乞いをするか必死に考えている
「あ、いや、迷惑なら断ってくれて構わないんだ!これは‥ただのおれの願望であって‥」
「え‥そ、その‥ど、どうか‥見逃してくださいぃい‥!」
キラーは恥ずかしさからか、自分に精一杯でウミが怯えているのに気付いておらず、デートに誘おうと苦戦している
ウミは恐怖で完全にキラーの言いたいことを理解していない
「こ、今度の祝日の金曜日‥!」
「あばばっ‥き、金曜日に私はチェーンソーで斬り殺されるんだぁあ‥っ」
「お、おれと‥ど、ど‥何処かに行かないか‥!?」
「拉致られて殺されるううう!」
「ば、場所とかはウミの行きたいとこでいいんだ‥!」
「天国か地獄かと言われたらもちろん天国がいいですが、その前に私、まだ死にたくないんです‥!」
「せめて1時間だけでも‥、」
「苦しむのはイヤなんで一瞬がいいんですが‥っ!」
「頼む!おれとデートしてくれ!」
「デートでもなんでもするんで命だけは助けてくださいお願いしますうう!!」
「ほ、ほんとか!?」
「だからチェーンソーで斬り殺さないでええっ!」
「やった‥!すまない、ウミ!今度の金曜日、楽しみにしてるからなっ!」
「嗚呼、よかった‥!今度の金曜日が私の命日にならなくて済んで‥!」
キラーはデートをしてもらえることに小さくガッツポーズをする程、喜び‥ウミは命を見逃してもらえた(と思い込んでる)と泣きながら喜んでいる
「‥なんだあのカオス、」
「‥‥今回だけは同感だな。」
キッドとローはそんな二人の様子を白い目で見ていた―‥
デートしてくれませんか
(いつか恋になるまで)
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久しぶりの海賊夢が
こんなカオスで申し訳ない‥!
私はキラーさんをどうしたいんだ←
シャイボーイキラーさんとガチビビり夢主という設定が書いてみたくなった結果がこれですすいませんでした
(02/28)