ファーストキスの味が





「お前ってキスしたことあんの?」

ヨシタケはポテチを食べながら漫画を読む愛に話し掛けた。愛はヨシタケを一瞬見て、そしてまたすぐに視線を漫画に戻した

「いや、ないけど。てゆーか、ヨシタケが初めての彼氏なんだからあるワケないじゃん」

「ふーん」

「ヨシタケは?」

「ねぇよ」

「だろうね」

「ふざけんな!」

「急になに言い出すの?」

「キスしてみようぜ」

「なんで?」

「え、なんでって‥俺ら、付き合ってんだから別にしたって良くね?」

「なるほど‥」

「だから」

「だが断る」

「なんでだよ!」

「蜂とキスした奴となんて嫌」

「あれは事故だっての!」

「私、虫嫌いだし」

「もう何ヶ月も経ってんだけど」

「‥‥‥拭いたらいいよ」

「わ、わかったよ」

ヨシタケはタオルで顔を拭いた。愛は漫画を閉じ、ヨシタケの正面に座る

「‥‥なあ、」

「なに」

「なんで正座?」

「‥‥‥そ、そんな気分だからよ」

「そんな改まれると緊張すんだけど」

「あ、改まってないし!」

「背筋伸ばしてんじゃねーよ」

「うるさいな!するなら早くして!」

「なら、目閉じろよな」

「わ、わかってる!」

愛は強く目を閉じた。そしてヨシタケを待つ

「‥おい、」

「な、なによ」

「顎引きすぎ。もうちょい前出してくんねーと出来ねぇよ」

「‥‥う、‥わ、悪かったわね」

「じゃあ‥す、するぞ?」

「う、うん」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「‥‥‥‥?」

「‥今、気付いたんだけど、」

「なにを?」

「キスってどうすりゃいいんだ?」

「そこから!?」

「だってそのまま顔近付けたら鼻がぶつかるじゃねーか」

「‥‥確かに、その通りね。」

「どういう風にやりゃ、ぶつかんねぇで出来んだ?」

「し、知らないわよ。私‥キスなんてしたことないんだから」

「‥‥‥まあ、やってみるか」

「ファーストキスが失敗なんて嫌なんだけど」

「わかんねーんだから仕方ないだろ」

「名案があるわ!」

「一応聞くけどなに?」

「唇を突き出せばぶつからないよ!」

そういって愛は唇をタコのように突き出した。

「ぶふっ!」

「な、なによー!」

「んな自信満々に言うなよ!やっぱお前バカだな」

「あんたに言われたくない!」

ヨシタケは顔を真っ赤にさせながら怒鳴る愛にデコピンを食らわし‥

「ばーか、普通にいろよ」

「せっかく意見出したのに、」

「‥‥‥なあ、」

「だからなによ!」

「ファーストキスってなんの味だ?」

「え?そりゃ、レモンの‥」

愛がそう答えた瞬間、ヨシタケは愛にキスをした

「!!?」

「‥んで、なんの味だっけ?」

「‥‥サワークリームオニオンの味」

「さっき食ってたもんな」



ファーストキスの味が
サワークリームオニオンってどうなの




自分で書いておいてなんですが
ヨシタケどうした^p^
こんなヨシタケ、ヨシタケじゃない!

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!

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