体温急上昇につき、






「あー‥ヒマだ、」

自室の天井を見上げる。先程までは熱で体が怠かったが、どういうワケか‥寝たら治った

そしてこうしてヒマを持て余してる

「‥‥今頃、学校にいるみんなは帰りのHRしてるんだろうなー‥」

学校の友達を思い浮かべながら枕元にある携帯を手にとった

「あ、みんなからメール来てる」

携帯を見ると学校の友達から私の体調を気遣うメールが届いていた

「‥うん、持つべきものは友だよね。なんか感動するわ」

『よっ!サボり?羨ましいですな』

「‥‥‥‥生島コノヤロー‥」

とりあえずこのメールは削除しておこう。削除ボタンを押した時、新たにメールが来た

「‥ヨシタケ?」

メールの差出人は隣に住んでる幼なじみのヨシタケからだった

「珍しいな‥なんだろ?」

『さっき姉さんから聞いたけど、熱出して学校休んだってマジ?これからお前んち行くわ』

「ええ!来んのっ!?」

どうしよう、もう元気なんですけど
これで元気にヨシタケを迎えたらなにサボってんだお前って言われるに決まってる!

それはそれでなんか腹立つ!
よし、病人のフリしよう!
冷えピタ貼ってマスクつけてれば病弱な人に見えるよね!

それなら早速、リビングにある冷えピタとマスクを取りに行かなきゃ―‥


ピーンポーン

「おーい、生きてるかー?」


(ぎゃああああなにコイツ来んの早えええええっ!)

「あら、いらっしゃい。ヨシタケ君。愛のお見舞いに来てくれたの?」

「熱出したって聞いたんで」

どうやら母が出たようで、ヨシタケと下で話す声が聞こえる

「わざわざごめんねぇ、バカは風邪ひかないはずなんだけど」

(なに言ってんだちくしょう!娘をもっと気遣え母親!)

「はは、ほんとですね」

(なにお前も便乗してんの!?ヨシタケにだけはバカって言われたくないわボケェ!)

段々と近付く話し声に私は慌てた。なにも用意出来ていない。どうすればいいのかわからなくて‥私は寝たフリをした。

(こうなったら寝たフリしかない!)


「じゃあ‥今、お茶とお菓子持ってくるからね」

「ありがとうございます」

ガチャリと音がして扉が開く

「入るぞー、生きてるかー?」

「‥‥‥‥‥‥」

私は寝たフリをしているので答えない

「んだよ、寝てんじゃん」

(!‥そうだ!どうせヨシタケのことだから私が寝てるのに安心してまた私の下着を盗むでしょ、その時は後ろからドロップキック食らわして‥)

など、私が密かにヨシタケ抹殺計画を立てていた。薄目でヨシタケを見ると周りをキョロキョロと確認している

(やっぱり下着盗む気かコイツ!わかってたけどこんなド変態が幼なじみだなんて恥ずかしいわ!)

今すぐ殴りそうになる衝動を抑え、未だ寝たフリをしている私に影がさした

(ん?なに?ハッ、まさか‥私の顔に落書きする気か!なんて奴なの‥!病人‥のフリをしている私に落書きするとは極悪非道!もはやドロップキックで済むと思うな覚悟しろヨシタケ!)

私は布団の中にある右手を強く握りしめ、臨戦体勢に入った

(私にペンを当てた瞬間に右ストレート食らわす!!)

そして私はヨシタケが行動を起こすのを待った。

(!‥来た!)

影が先程よりも近付いた。そして‥


軽いリップ音がした。


そして影が勢いよく私から離れた

「っ、は、早く熱治せよ。じゃあな!」

(‥‥‥は?)

私の右ストレートを繰り出すという計画は脆くも儚く崩れ去った。何故なら今、ヨシタケが私にした行為は私が想像していたものと違ったから

(き‥キス、された‥?)

ヨシタケは既に部屋から出ていて、下で母と会話している。

「‥‥‥ウソ‥」

部屋には顔を真っ赤にしている私だけが残っていた




「お、よお。熱下がったのか?」

「!‥ま、まあね!」

朝、通学途中にヨシタケとばったり会ってしまった。昨日の出来事が再び脳裏に過ぎって私の顔に血が上る

「‥‥お前、顔真っ赤だぞ?やっぱまだ熱あんじゃねえの?」

「だ、誰のせいだと思ってんだ!!」

「どうっ!!」


体温急上昇につき、
右ストレートにご注意ください



武闘派ヒロインです←
ヨシタケはヒロインちゃんが好きなんですがわかりにくいですね
最後、ヨシタケはやっぱり右ストレートを食らいました

(2/10)


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